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在宅オペレーターへの挑戦㊤ NTTソルコ、「漏えいの不安」払拭が鍵

2010年 6月10日 15:39

カメラやサーバー管理で対応、「TV通販などに最適」

エヌ・ティ・ティ・ソルコ(本社・東京都港区、川守祐市社長)が在宅オペレーターサービスの本格稼動を開始した。昨年6月から試験的に展開していた、ブロードアースの在宅オペレーター用プラットフォーム「ホープス」を本格的に運用する。在宅サービスはオペレーターが自宅でインバウンド(受信)などを行うもので、効率的な人員配置やコスト削減が図れる一方、個人情報保護などの問題があり、これまで活用が進んでいなかった。ただ、コール数の増減幅の大きいテレビ通販などで有効と期待されており、今後、通販事業者の注目が集まりそうだ。

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在宅オペレーターサービス「ホープス」は、ネットワーク上のサーバを利用するのが特徴。「セキュリティ」「コール」「オペレータ」の3つの管理機能を実装する。
 
通話にはインターネットを利用した電話機能のソフトフォンを使用。コールの流れは、まずコールセンターに入ってきた顧客の電話は、自動分配機能でコールセンターか在宅のどちらかに振り分けられる。在宅のコールはブロードアースのサーバを経由しオペレーターに届く仕組みだ。

 オペレーターには、PCやヘッドセットなど通常使用する機器のほか、ウェブカメラやタッチペン式のメモボード、指紋認証付USBなどを専用のセキュリティボックスに入れて用意。ウェブカメラは業務状況の確認や情報漏えいの防止などのほか、一人で働くことでの疎外感を払拭する「コミュニケーションツールとしての役割もある」(ソリューション営業部・加藤芳隆部長)ようだ。

 PCの基本ソフト(OS)はオペレーター側のOSを使用せず、USB内に収められたOSを使用することで情報のコピーを防止。また、作業内容はすべてサーバで管理。PCにデータが残らない仕様だ。PCは離席して一定時間経過すると自動シャットダウンする。

 「在宅サービス」は交通費の削減などのコストカットが図れるほか、席数の一時的な増加など、弾力的な運営ができるメリットがある。ただ、これまで個人情報漏えいのリスクなどがあるため、具現化のハードルは高かった。同社ではこうした対策を施すことで、信頼性を訴求していくと共に、オペレーターのワークライフバランスの観点からも訴求する考えだ。

 現在は横浜センターで、SV(スーパーバイザー)などを含め約10席体制で運用。オペレーターの採用基準は「整備を進めている」(同)とし、新規オペレーターの採用も行う予定。既存のオペレーターや以前働いていたOBの活用も行っていく構想だ。

 現在は自社のオペレーターの募集採用に関する受付業務が中心だが、今後本格的に受託していく。基本的にはどの業種にも対応できるが、一例としては、繁閑差があり深夜時間帯の受信が多く、拘束時間の長いテレビ通販業務などに「かなり向くのでは」(同)と見る。また、休眠客の掘り起こしなどを目的としたアウトバウンドもニーズがあると踏んでいる。まずはNTTグループ内での活用のほか、トライアルで導入してもらうことで「コスト減の確認や不安を払拭してもらう」(同)考えだ。
(つづく)
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