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アマゾンジャパンが画面付きAIスピーカー発売、EC利用増のはずみに? 

2018年 6月21日 15:29

アマゾンAIスピーカー.png 「音声に加えて、スクリーンで商品の画像や価格を確認して購入できるため、不安なくスマートスピーカーで購入頂けるようになるのでは」――。アマゾンジャパンは6月20日から、独自開発した人工知能(AI)の「アレクサ」を搭載したスピーカー型端末「アマゾンエコー」の新商品で初のスクリーン(画面)付きAIスピーカーとなる「アマゾンエコースポット」の予約販売を同社の通販サイト限定で開始した。価格は税込1万4980円。7月末をメドに出荷を始める予定。なお、他のエコーシリーズと同様に量販店での卸販売を行うかどうかについては現状、明らかにしていないが今後、実施していく方向のようだ。
 
 これまでに発売済みのエコーシリーズでスタンダードな端末「エコー」と小型の「エコードット」、最上位端末の「エコープラス」の3機種はいずれもスクリーンはついておらず、音声のみのサービスを提供していたが「スポット」は2・5インチの円形のスクリーンを搭載し、従来までの音声に加えて、画像や動画を表示できるようになる。これにより、例えばエコーに「アレクサ、今日の天気は?」と呼びかけると、従来機と同様に音声で天気予報を読み上げることに加えて、画面上に文字での表示のほか、湿度や一週間分の予報などの詳細情報を表示したり、「3分後にタイマーをセット」などの呼びかけではカウントダウンの表示、また、「ニュースを聞かせて」ではキャスターによるニュース番組の映像を表示するなど、見せるサービスを加えることで音声サービスの利便性がより高まるという。
 
 なお、「スポット」には小型カメラも搭載しており、写真を撮影し、アマゾンの有料会員向け写真ストレージサービス「プライムフォト」に保存する機能や開始時期は未定としているが、スマートフォンから「スポット」を経由して設置している部屋の中を見たり、音声での呼びかけを行える機能やビデオ通話などのコミュニケーション機能も近く実施していきたい考えのようだ。
 
 スクリーンが付いたことでAIスピーカーを経由したネット販売の使い勝手もかなり向上するようだ。従来機でも例えば「水を買いたい」と呼びかけると、アマゾン内で取り扱う商品の中から該当商品を検索し、利用者はその中から商品を購入することはできた(事前設定が必要)ものの、過去に購入した商品の再注文はともかく、商品検索経由での注文は検索結果として商品名や価格を読み上げる形となるため、エコーで商品を注文するユーザーはかなり限られていた模様だ。
 
 今回の「スポット」では商品検索結果を音声に加え、画面上でも商品イメージ画像や価格を表示するほか、画面をタップすると「レビューの星の数」などの詳細情報も表示。また画面上に表示された「これを購入」をタップすることで決済し、注文を完結することもできる。「エコーで音声ショッピングを行ってきたが、音声で検索結果を聞くのはやはり大変で現実的ではなかった。画面で商品と価格を確認しながらショッピングをしたいという要望にこの 『スポット』は対応できる」(Alexaエクスペリエンス&デバイス事業部の北野沙織シニアプロダクトマネージャー)とし、アマゾン側でも「スポット」の発売が少なからずAIスピーカー経由のネット販売の増加に寄与してくるとみているようだ。
 
 「スポット」の発売に合わせて、「音声+画像・動画」に対応したSpot対応」の「スキル」(「アレクサ」で利用できる各社の音声サービス)として楽曲と歌詞を表示したカラオケ動画を表示する「カラオケJOYSOUND」や様々なレシピの調理手順付き動画を表示する「DELISHKitchenの簡単レシピ」などすでに50以上(※「スキル」の全体の数は現在950超)がリリースされており、音声と画面・動画を組み合わせたエコーで使用できるサービスは今後、増えていきそう。
 
 「アマゾン商品の音声ショッピング」のように商品の検索、注文、決済まで完結するショッピング系の「Spot対応スキル」はまだないようだが、宿泊施設を音声検索して詳細情報を表示した画面を見ながら予約できる「JTBホテル」や同じく飲食店を予約できる「ホットペッパーグルメ」などのように、ショッピングに近い「Spot対応スキル」はすでにあり、また、米アマゾンではアマゾンの決済サービス「アマゾンペイ」に連動してゲームやクイズのスキル内で課金を行ったり、寄付の受け付けを行なうスキルもあるようで、「まだ、EC系スキルは出てきていないが、いつ出てきてもおかしくない状況」(アレクサビジネス本部の柳田晃嗣本部長)としており、今後、アマゾン本体だけでなく、他の通販実施企業にとってもエコーを活用した通販展開が進んでくる可能性もあり、注目されそうだ。

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