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佐川急便、toC向けの対応強化、小型店使い配送網拡充、通販需要取り込みへ

2010年 6月 3日 11:48

SGホールディングスグループの佐川急便(本社・京都市南区、平間正一社長)は、宅配便事業でtoC向けの体制整備を積極化する。この一環として、小型店舗を活用した配送拠点網の拡充を推進。キメ細かなサービスを提供できる体制を構築する考えだ。これまで同社は、BtoBを中心に宅配便事業を行ってきたが、通販市場の拡大に伴い、toC向けの荷物の取り扱いが急増していることを踏まえ、対応を強化。通販関連を中心としたtoC向け荷物の獲得につなげていく構えだ。
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佐川急便はこれまでにも、toC向けの対応強化策として配送拠点での荷物の車両積み込み作業を見直し、主婦等の在宅率が高い午前に荷物を集中的に届けられる体制の構築などを行っている。

 一方で、通販を中心としたtoC向けの荷物が増え続け、宅配便全体の4割程度を占めるまでに拡大。よりキメ細かな対応が必要と判断し、基盤となる集配体制を強化することにした。

 具体的に取り組むのは、「サービスセンター」と呼ばれる小型店舗の拡充。サービスセンターは、トラック4、5台分に相当する集配エリアを担当し、台車やカーゴ、三輪自転車などを使って荷物を集配する拠点で、地域に密着した機動的なサービスが提供できるほか、トラックの使用抑制による駐車場問題の解消などの効果があるという。

 現状サービスセンター等の小型店舗は大都市部を中心に295店を展開しているが、これを今期中に473店(期中178店増)にまで増やし、2013年3月期には540店とする計画。これに付随して、今年10月から現在4桁の配達店コードを7桁に変更するとともに、セールスドライバーの携帯端末の刷新を予定する。また、送り状についても、届け先の記入欄の下に依頼主の記入欄を設けるなど、toCを意識したデザインに改める計画だ。

 佐川急便では今期、通販等のtoC関連の対応強化策として、国内航空機事業を活用した即日集配体制の構築を計画するが、サービスセンターを活用した荷物の配送リードタイム短縮も構想。現状、中継拠点から配送地域営業店で仕分けを行った後にサービスセンターへ送られてくる荷物を、中継拠点から直接サービスセンターに送ることを視野に入れる。


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