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国民新党、健食団体と意見交換会、表示制度化に向け政策調整

2010年 6月 3日 11:39

国民新党が今夏に予定される参院選に向け、医療政策の一環として健康食品の表示ガイドライン制定を政党公約に準ずる政策集に盛り込む方向で調整を開始した。6月1日に日本健康・栄養食品協会傘下の8団体が組織する健康産業協議会(木村毅代表)と意見交換会を開催。6月中に要望をまとめ、消費者庁の「健康食品の表示に関する検討会」の論点整理を前に要望書も提出する。
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 国民新党は、健食の表示規制と産業振興に関連する4省庁(農林水産省、厚生労働省、経済産業省、消費者庁)に提出する目的で要望書を作成。業界サイドと意見交換を行い、内容の調整を行った。

 意見交換会が実現したのは、健康産業協議会(協議会)に参加する業界団体のAIFN(アイファン)会員が国民新党の公認を受けて参院選に出馬することが決定したため。国民新党では、「公約として示すことは難しいが、医療分野の政策集の中で健食表示に関するガイドラインを示すことを盛り込みたい」(森田高参議院議員)としている。

 作成した要望書は「健康食品の信頼性確保と地域産業の育成(案)」。その中で食品の機能性表示に係る制度の見直しに触れ、(1)ウコンやノニ、黒糖など推奨可能な伝統食材について健康増進法上の「特別用途食品」として表示が行えるような施策の実施、(2)地域産業育成に向けた支援策の実施を関係省庁に求めていく方針を示した。

 具体的に(1)では関係省庁に推奨可能な伝統食材のリストアップ(農水省)や特別用途表示の支援(厚労省と消費者庁)を、(2)では、国の費用負担による健食の科学的根拠確立に向けた研究事業の実施(農水省と経産省)を求めていく。

 これに対し業界側からは「『特別用途食品』は、疾病予防の表示を行うもので、その改革まで踏み込むのは困難」「すでに消費者庁で検討会が行われており、これまでの流れを整理する必要がある」といった意見が出された。

 一方、会に参加した下地幹朗衆議院議員は「(要望は検討会の結論が出る前に行政にインプットしなければならない。早急に業界の要望を整理してほしい」と応じ、6月中に消費者庁など関係省庁に要望書を提出する考えを示した。

 意見交換会には、業界サイドから協議会の木村会長と加藤博事務局長、健康と食品懇話会の太田明一相談役、アイファンの橋本正史理事長、末木一夫専務理事、健食関連の業界紙「健康産業新聞」の牧野順一社長の6人が、国民新党からは下地議員、森田議員、参院選に出馬する江木佐織氏の3人が出席した。

 江木氏は、健康維持に向けた知識の普及活動や独自の検定試験を行う健康生活推進協会の理事。同団体はアイファン加盟団体で、江木氏は今年4月、国民新党の公認を受けた。5月中旬から協議会とアイファンは下地議員らと水面下の調整を開始していた。


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