LINEは6月15日、アフィリエイトモデルの新サービスを開始した。ユーザーが通信アプリ「LINE」内の専用の売り場を経由して企業の通販サイトで買い物をするとLINEポイントが付与される。LINEではポイントの流通を促進させて"LINE経済圏"の拡大を狙う。
開始したのは「LINEショッピング」。ユーザーは外部アプリのインストールは不要で、「LINE」内のLINEショッピングにアクセスして、商品の検索や閲覧が可能。商品名やショップ名での検索だけでなく、30以上のカテゴリやカラーで絞り込みもできる。
LINEショッピングを経由して企業の通販サイトで買い物をすると最大で20%のLINEポイントが付与され、貯まったポイントは1ポイント1円としてLINEの決済サービス「LINEペイ」で利用できるほか、スタンプの購入などに使える「LINEコイン」と交換することも可能。
開始時点では総合通販やファッション、雑貨、化粧品など100以上の通販サイトが出店。LINE側の説明では、公式アカウントやLINE@といったLINEのアカウントを利用している企業の中から幅広いサイトを選定したようだ。
出店サイトはLINEショッピングを通じてLINEアカウントへの友だち獲得もできる。LINEショッピングは初期費用や月額の固定費などは無料で、出店企業はポイント原資を負担する。
LINEでは新たに出店希望の企業も受け付けている。参加条件は自社通販サイトを保有していることに加え、付与できるLINEポイントが10%以上というのも基準となりそうだ。
LINEショッピングでは今後、通販サイトだけでなく出店するブランドの実店舗でも同様にポイントが付与できる仕組みを提供する。年内にテストを行い、来年には正式に導入する。LINEによると、店舗側は新たな設備投資をせずに簡単に開始できるとのことで、同社ではこの技術ですでに特許を出願している。
CV率が22・8%に
「ユーザーとショップをつなぐ入口になる」──。6月15日に都内で開催されたLINEの事業戦略発表会「LINEカンファレンス2017」の場で、同社執行役員O2O事業担当の藤井英雄氏はこう述べた。6800万人の「LINE」ユーザーに対して、ショッピングの新たなタッチポイントを創出すると宣言した。
LINEでは昨年12月から5月までの半年間、約40サイトで事前テストを実施。その結果、通販サイトに送客したユーザーは「22・8%という高いコンバージョン率を記録した」(藤井氏)。また、新規ユーザーの割合も高くなっているという。
LINEではこうした事前の数字に手応えをつかんでおり、2018年度(~18年12月末)には同サービスで流通総額1000億円を目標に掲げる。
ただ、LINEはこれまでに「LINEモール」や「フラッシュセール」など複数のEC事業で撤退してきた過去を持つ。送客モデルとはいえ、LINEにとって"鬼門"と言えるECの領域で成功を遂げるのか。今後の動きが注目される。
【LINEショッピング責任者に聞く】
1年かけてモデル構築「オンとオフの垣根なくす」
LINEショッピングの責任者を務めるコマース戦略チームの藤原彰二氏(=
㊨写真)にサービスの特徴などについて聞いた。
◇
――サービス開始の経緯は。
「LINE経済圏をまわすという目的があり、ポイントや決済サービスで流通をふやしていくことを考えるとショッピングは必要になる。1年前から企画がスタートしたが、LINEとしては1年も時間をかけてビジネスモデルを作るというのは珍しい」
――サービスの魅力は集客面になるのか。
「そうだ。そして集まる顧客のうち新規の割合も高くなる。事前のテストではLINEショッピング経由で購入した顧客のうち新規だった割合は低い場合でも15%、高いサイトでは大手アパレル企業で38%に達した。LINEショッピングを通じて新規を獲得して、公式アカウントなどからリテンションさせるというイメージを持っている企業は非常に多い」――今後は実店舗でもポイント付与が可能になる。
「LINEで発行するバーコードをレジで読み込んでもらい、LINEポイントを付与する。通常、この仕組みを導入するとなると高ければ1億円程度かかる。当社では極力お金をかけずにスタートできる仕組みを作って特許を出願した。オンラインとオフラインの垣根をなくしてポイントがもらえるようにしていく」
開始したのは「LINEショッピング」。ユーザーは外部アプリのインストールは不要で、「LINE」内のLINEショッピングにアクセスして、商品の検索や閲覧が可能。商品名やショップ名での検索だけでなく、30以上のカテゴリやカラーで絞り込みもできる。
LINEショッピングを経由して企業の通販サイトで買い物をすると最大で20%のLINEポイントが付与され、貯まったポイントは1ポイント1円としてLINEの決済サービス「LINEペイ」で利用できるほか、スタンプの購入などに使える「LINEコイン」と交換することも可能。
開始時点では総合通販やファッション、雑貨、化粧品など100以上の通販サイトが出店。LINE側の説明では、公式アカウントやLINE@といったLINEのアカウントを利用している企業の中から幅広いサイトを選定したようだ。
出店サイトはLINEショッピングを通じてLINEアカウントへの友だち獲得もできる。LINEショッピングは初期費用や月額の固定費などは無料で、出店企業はポイント原資を負担する。
LINEでは新たに出店希望の企業も受け付けている。参加条件は自社通販サイトを保有していることに加え、付与できるLINEポイントが10%以上というのも基準となりそうだ。
LINEショッピングでは今後、通販サイトだけでなく出店するブランドの実店舗でも同様にポイントが付与できる仕組みを提供する。年内にテストを行い、来年には正式に導入する。LINEによると、店舗側は新たな設備投資をせずに簡単に開始できるとのことで、同社ではこの技術ですでに特許を出願している。
CV率が22・8%に
「ユーザーとショップをつなぐ入口になる」──。6月15日に都内で開催されたLINEの事業戦略発表会「LINEカンファレンス2017」の場で、同社執行役員O2O事業担当の藤井英雄氏はこう述べた。6800万人の「LINE」ユーザーに対して、ショッピングの新たなタッチポイントを創出すると宣言した。
LINEでは昨年12月から5月までの半年間、約40サイトで事前テストを実施。その結果、通販サイトに送客したユーザーは「22・8%という高いコンバージョン率を記録した」(藤井氏)。また、新規ユーザーの割合も高くなっているという。
LINEではこうした事前の数字に手応えをつかんでおり、2018年度(~18年12月末)には同サービスで流通総額1000億円を目標に掲げる。
ただ、LINEはこれまでに「LINEモール」や「フラッシュセール」など複数のEC事業で撤退してきた過去を持つ。送客モデルとはいえ、LINEにとって"鬼門"と言えるECの領域で成功を遂げるのか。今後の動きが注目される。
【LINEショッピング責任者に聞く】
1年かけてモデル構築「オンとオフの垣根なくす」
LINEショッピングの責任者を務めるコマース戦略チームの藤原彰二氏(=㊨写真)にサービスの特徴などについて聞いた。
◇
――サービス開始の経緯は。
「LINE経済圏をまわすという目的があり、ポイントや決済サービスで流通をふやしていくことを考えるとショッピングは必要になる。1年前から企画がスタートしたが、LINEとしては1年も時間をかけてビジネスモデルを作るというのは珍しい」
――サービスの魅力は集客面になるのか。
「そうだ。そして集まる顧客のうち新規の割合も高くなる。事前のテストではLINEショッピング経由で購入した顧客のうち新規だった割合は低い場合でも15%、高いサイトでは大手アパレル企業で38%に達した。LINEショッピングを通じて新規を獲得して、公式アカウントなどからリテンションさせるというイメージを持っている企業は非常に多い」
――今後は実店舗でもポイント付与が可能になる。
「LINEで発行するバーコードをレジで読み込んでもらい、LINEポイントを付与する。通常、この仕組みを導入するとなると高ければ1億円程度かかる。当社では極力お金をかけずにスタートできる仕組みを作って特許を出願した。オンラインとオフラインの垣根をなくしてポイントがもらえるようにしていく」