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楽天 書籍など即日配送開始へ、自前のインフラ全国で整備

2010年 5月13日 19:37

071.jpg 楽天は、同社の仮想モールで受注した商品をその日中に消費者へ届けるサービスを年内にも一部商品で開始する。これに先駆けて物流インフラの整備に着手しており、今秋をめどに千葉県内に大型の物流センターを稼働させる。今後、自社でハンドリングできる倉庫を全国に広げることで配送リードタイムの短縮や異なる店舗の商品を同梱するサービスを実現し、消費者や出店企業の利便性向上につなげる狙いだ。

 即日配送サービスの対象は、「楽天市場」に出店する「楽天ブックス」の取扱商品のうち、書籍やDVDの新作など約15万タイトル。年内をめどに首都圏とその近郊でサービスを開始する。

 同社は、物流サービスを強化するのに当たり、3月19日に完全子会社の楽天物流を設立した。

 また、このほど外資系企業が千葉県市川市に持つ物流センターのワンフロア延べ床面積約2万5,000平方メートルを賃借。5月中には国交省にトラック運送や航空貨物などの利用運送業と倉庫業の登録・許可申請を行い、物流センターは今秋にも稼働を開始する計画だ。

 現在、「楽天ブックス」で扱うアイテムの保管・出荷拠点は書籍取次大手の日販が保有する埼玉県内の倉庫だが、ここから書籍やDVDの新作を新物流センターに移し、楽天物流が管理する。

 センターでは「楽天ブックス」で足回りを担うヤマト運輸との連携を強化することで、即日配送や希望日配送のサービスをスタートする。次のステップでは、「楽天市場」の出店企業向けに強化している物流代行サービスと連携し、他の店舗の取り扱い商材との同梱サービスにつなげる。

 楽天は、08年5月に物流代行サービスを開始。事業拡大に合わせて物流事業者とのパートナーシップを強化しており、代行サービスに対応する倉庫は全国で10数拠点まで広がっている。

 今後、市川の物流センターをハブ拠点とし、3年後をめどに全国数カ所に自前の物流拠点を新設することで、物流代行サービスを利用する店舗の商材をメーンに楽天物流が管理する拠点に運び、同梱しやすくする。いよいよ物流インフラの強化に本腰を入れ始めた楽天に、ネット販売業界の注目が集まりそうだ。

《通販 9号 07面 10》


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