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流行の芽・ブイエムシー 〝オゾン〟配合の化粧品、肌トラブルに悩む層から支持

2010年 5月 6日 17:54

082.jpg 化粧品の開発・製造を行うブイエムシーが販売するオゾン化粧品「ヴァージンメディカル」が注目を集めている。やけどや床擦れの治療で用いられていたオゾンの機能を化粧品に応用。テレビ通販での訴求に加え民放の番組に取り上げられるなど美容素材として知名度の低い「オゾン」が徐々に浸透、アレルギーなど肌のトラブルに悩む幅広い層のニーズを開拓し受注件数を伸ばしている。

  同社は、1973年の創業以来オゾンをテーマに研究開発を推進。「ヴァージンメディカル」は、その研究成果をもとに誕生した低刺激化粧品だ。

  現在の塩田社長が2代目として就任した当初、同社ではオゾン水による院内感染防止や熱傷、皮膚トラブルのケアなど医療分野でオゾンの技術を活用していた。この際、従来のオゾン水は30分で酸素に戻るため保存が不可能という課題があったが、同社はグリセリンにオゾンを溶解したオゾンジェルを開発。これにより保存期間を3カ月間に延ばすことに成功した。

  そんな時、オゾンジェルを肌トラブルに使用したところ改善が見られたという病院の看護師からの声が転機となった。「当初はオゾンの能力を医療で役立てようと思っていたが、身近なスキンケア化粧品として使える」(塩田社長)と判断。2004年10月、オゾン化粧品「ヴァージンメディカル」の販売を開始した。

  メーンとなる商品は化粧水や美容液など基礎化粧品が5アイテムで全商品にオゾンを配合。シンプルな成分の構成とし防腐剤など添加物を極力使っていないため、出荷日から40日―3カ月という「化粧品業界の常識ではまずありえない」(同)使用期限を設けている。販売チャネルも一般流通ではなくテレビ通販を軸としてネット販売など通販ルートに限定し、受注生産に近い形態をとっている。「長く愛用される商品を目指している」(同)ため、現状ではラインアップを増やす考えはないという。

 購入者の層は化粧品に配合された添加物を気にする妊婦、アトピーや敏感肌に悩む人など幅が広い。中には94歳の女性購入者もいる。塩田社長は「100歳のオゾン化粧品のファンを作りたい」と意気込む。

  新規顧客を着実に獲得した結果、2009年4月期の受注件数は前年比5倍増となり、今期(10年4月期)も同2倍増になるもようだ。

  オゾンの研究開発を出発点に化粧品通販へと至った同社。「我々のDNAは化粧品ではない」(同)とし、オゾンを切り口に化粧品業界の常識にとらわれない商品を追求していく構えだ。
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