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ドゥクラッセ 婦人服店舗事業の戦略は? 期中の値下げで在庫圧縮

2016年12月16日 10:25

041.jpg DoCLASSE(ドゥクラッセ)は今期(2017年7月)、婦人服の実店舗売上高は前年比約32%増の37億円を目標とする。

 前期は、店舗事業の収益改善に向けて在庫圧縮を推進した。具体的には、シーズンオフのタイミングでセールを開催していたのを改め、すべての商品を対象に"売り切るタイミング"を販売前に決定。そこから逆算して計画の進捗状況に合わせた売価変更や特集企画を組むなどして在庫減による粗利の改善を図った。

 加えて、商品力の強化や、カタログと新聞広告からの集客効果もあり、婦人服「ドゥクラッセ」の店舗事業はとくに前期後半から好調を維持。旗艦店の大丸梅田店(大阪市)の前期売上高は5億円まで拡大した。

 今期についても、同店の11月の売上高は前年同月比30%増の5000万円となった。都内の大型店ではwando自由が丘店が内装変更などで11月の購買客数が前月比2倍に、日比谷シャンテ店は来店動機の多様化もあって売り上げ好調を維持している。

 9~10月に内装を変更したwando自由が丘店については、店内の見通しが良すぎた部分を修正。海外で流行っているディスプレイを設置するなど、「若干の"ごちゃごちゃ感"を出した」(岡田峰昌COO)ことが奏功したという。

 日比谷シャンテ店は商業施設の2階にあり、従来はカタログや新聞広告、通販サイトを見て来店する顧客が大半だったが、11月20日から買い上げ客に来店動機を聞いたところ、通販チャネル経由の来店は約半数で、通りがかりや1階のウィンドーを見ての来店、知人から聞いたと答えた消費者が35%程度となるなど、通販経由以外の来店が増えており、売り上げを底上げしているようだ。

 販売面ではこの半年間、毎月、店舗ごとに強化品番とその目標販売枚数を決めて臨んでおり、強化品番の販売集中度が高い店の予算達成率および伸び率が高い傾向にあるとしている。

 同社によると、各店の商品セレクトと発注・投入、商品の店間移動は本部で行っているが、初回配分量については店長の意見を採用し始めており、できる限り店舗発注の形に近づけてきている。各店舗に商品配分量の一定の権限を与えることで売り上げのトップラインを上げるとともに、在庫に対しても責任感を持ってもらうのが狙いで、毎月開催するエリア会でも店舗収益と課題を認識してもらい、改善につなげているという。

各店がフロアの売上1位を目標

 今期は全社スローガンに"世界一の質"を掲げるが、店頭スタッフには、より具体的な目標として、まずは入居する商業施設のフロアで売り上げナンバーワンを目標に取り組んでおり、複数店舗ではフロアだけでなく、婦人服ブランド全体でもトップとなっている店舗があるようだ。

 今後の課題は、店舗事業独自の集客策を確立することで、これまでも既存客に対してDMを送っているが、携帯電話の番号が分かれば送信できるSMSを活用した情報発信もトライアル中で、コスト削減や顧客との関係強化を図るツールとして期待している。

 教育制度についても、新人研修や新店の事前研修だけでなく、オープンしてから1カ月後研修や半年後研修などを検討する。また、土地柄や店舗の広さ、来店客数などによって接客手法も異なることから、タイプの違う店を経験させるジョブローテーション制度を導入し、適応能力の高い店長候補を育成する仕組みも整備したい意向だ。

 また、メンズ向けの店舗展開については、唯一の単独店である日比谷シャンテメンズ店が好調で、今期の黒字化を見込んでいることから、婦人服との複合店だけでなく、メンズ単独店の拡充も模索していく。

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