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爽快ドラッグの2016年3月期売上高は、前期比20・6%増の310億8000万円だった。日用品通販「爽快ドラッグ」のほか、ベビー関連商品の通販サイト「ネットベビー」、ペット用品通販サイト「快適ねこ生活」などを運営している。「爽快ドラッグ」は、楽天市場の優秀店舗を表彰する「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)」のグランプリを7年連続で受賞していたほか、ヤフーの「ヤフーショッピング」などでも表彰される有名店舗。また「ネットベビー」も楽天SOYで上位に入るなど知名度が高かった。
株式の約95%は住友商事が保有しており、株式譲渡は12月の予定。爽快ドラッグの小森紀昭社長は続投する。その他の役員体制は未定。ヤフーなど楽天の競合他社が運営する仮想モールの店舗は運営を継続する。
楽天では買収の理由について「生活用品と日用品向けネット販売は成長分野として重要視しており、ジャンル戦略強化の一環」と説明。同ジャンルは価格や配送日数が購入の決め手となることから、サービス強化で売り上げ増につなげる方針。
楽天では今年3月、日用品などのネット販売を行うケンコーコムを完全子会社化しており、今後は商品の販売拡充や、物流インフラ・システムの効率化、人材・ネットワーク・データといった経営リソースの最適化といった両社間の連携を進める。爽快ドラッグはこれまで、各社仮想モール内の有名店舗として売り上げを伸ばしてきたが、商品によっては届けるまでの日数が遅くなるなど、配送周りが弱点となっていた。楽天子会社となることで、インフラ強化も期待できそうだ。
楽天では、楽天市場内の「楽天24」での日用品ネット販売事業をケンコーコムが手掛けている。今後の「楽天24」の運営体制については「未定」(広報グループ)とする。
日用品ネット販売では、ヤフーの連結対象であるアスクルが運営する「ロハコ」が売り上げを伸ばしているほか、アマゾンジャパンやヨドバシカメラも注力するなど、価格競争や配送面でのサービス競争が激化している。爽快ドラッグとケンコーコムの前期ネット販売売上高を合算すると500億円を大きく超えるため、一定のスケールメリットも期待できそう。
ただ、日用品やベビー用品、ペット用品を扱う楽天市場出店店舗にとっては、有力な競合がモールを運営する楽天の子会社となるため、反発がある可能性も。また、取扱商品が似通った2社の価格戦略や商品戦略も変わってきそうだ。楽天の舵取りが注目される。