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日本恒順  香醋で来春に届出へ、脂肪減少の新規成分を特定

2016年 8月 5日 10:11

 香醋商品の展開で知られる日本恒順が、来春をめどに香醋で機能性表示食品の届出を行う。香醋は、制度を活用する条件となっている「機能性関与成分」の特定が難しいとされている商品の一つ。すでに脂肪の減少に働きかける成分の特定や、原料の量産化を実現。まず一般食品で制度を活用する。濃縮したタイプのサプリメントも通販展開しており、将来的に健康食品での活用も視野に入れる。

 すでに、ヒトを対象にした臨床試験で「内臓脂肪の減少」といった機能を確認しており、今後、研究論文としてまとめる。試験に使ったのは、日本恒順が販売する「8年熟成香醋」(=画像)と「半年熟成香醋」。早ければ来春にも届出を行う。

 特定した機能性成分は、「フレグライド1」と命名。香醋に含まれ、体内で脂肪細胞を小さくする作用のあるたんぱく質の働きを活性化する。香醋に最も多く含まれる成分ではあるものの、黒酢や純米酢にも香醋の10分の1から100分の1ほど含まれているという。

 まずは、一般食品で制度を使う。「フレグライド1」は化学合成でつくることもでき、量産化も成功している。ただ、新規物質であり、合成物での効果は確認しておらず、安全性データもまだ十分でない。将来的には、サプリメントでの制度活用も検討している。

 現在、お酢関連で機能性表示食品制度の活用に使われているのは、「酢酸」による内臓脂肪の減少作用のみ。「フレグライド1」の原料としての量産化は、香料大手の高砂香料工業が行っており、原料供給にも対応していく。今後、「フレグライド1」を使った届出商品も増えるかもしれない。

 機能性評価は香醋の機能性研究を進めるフレグライド研究会(代表=辻野義雄東京農業大学生物産業学部食品香粧学科教授)が行った。

 BMIが高めの健康な男女40人を対象に、「8年熟成香醋」をスプーン1杯程度(15ミリリットル)毎日摂取させたところ、12週間で内臓脂肪面積が約14%、皮下脂肪面積が約19%減少したという。「半年熟成香醋」より多くの「フレグライド1」を含む8年物のほうが減少幅が大きいことも確認。濃度依存的に減少効果が高まる可能性も確認した。

 安全性も動物試験で通常の240万倍の摂取量で問題ないことを確認している。ダイエット関連以外にもさまざまな機能があることから、今後も研究を続ける。

 日本恒順は「鎮紅香醋」などを扱う中国、恒順グループの国内総代理店。中国では年間約50万トンほど販売されている。

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