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従来、1週間から2週間程度という比較的、短期間のキャンペーンが主流だったが、最近では3カ月以上にわたって実施する企業が増えてきた。
これは、スタートトゥデイが主力の「ゾゾタウン」で昨年4月から1年間実施した「送料無料キャンペーン」の影響が大きい。
同社は、アパレル通販サイトの"使わず嫌い"の囲い込みを目指して実施。キャンペーンは予定通り今年3月末に終了したものの、業界の流れは変わっていない。
むしろ、「ゾゾタウン」のキャンペーンによって「送料無料に伴う客単価の落ち込みと、販売数量の伸びが予想できるようになった」(アパレル大手)として、実施企業が相次いでいるのが現状。
なぜなら、アパレル企業のほとんどが、自社の直営サイトを開設する以前から「ゾゾタウン」を通じたネット販売を行っており、同サイトでの販売実績を検証すれば、自社通販サイトで同様のキャンペーンを実施した際の予想がたてやすくなったためだ。
アパレル大手のポイントは、自社通販サイト開設2周年を記念して、昨年10月9日から今年3月末までの約半年間、すべての送料を無料にした。しかし、送料負担以上の効果が見込めるとして、これを今年8月末まで延長することを決めた。
セレクトショップ大手のユナイテッドアローズは、今年3月から1カ月の予定で実施した「送料無料キャンペーン」で新規顧客の獲得で成果を得たため、今年6月末まで延長。オンワード樫山も同様に6月末まで実施中だ。
一方、「ゾゾタウン」と同じビジネスモデルでアパレル企業の商品を販売するセレクトスクエアは、「ゾゾタウン」のキャンペーンが終了した今年4月1日から来年1月末までの九カ月間、すべての商品を対象に送料無料にした。
同社では、サイト開設10周年を来年に控えての"プレキャンペーン"の一環としているが、「ゾゾタウン」のキャンペーン終了を横目に、新規顧客の獲得に乗り出した感は否めない。
再び活発化してきたアパレル通販サイトの「送料無料」。現段階では、衣料品を通販で購入することに抵抗のある消費者に対して、ハードルのひとつを取り除く意味合いが強い。
アパレル企業の多くは、実店舗で目減りする売り上げを新しい販売チャネルで補完しようと必死だが、各社とも全社売り上げに占めるネット販売の比率はまだ数%。当面の目標とする10%に向けて、新規顧客の獲得策として「送料無料」を活用していくことになりそうだ。