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高島屋 ネット販売で"モール構想"、サイト統合で地ならし

2010年 4月15日 11:36

 高島屋のクロスメディア事業部は、出遅れていたネット販売の強化に乗り出す。実店舗や紙媒体などと連携し、メディアミックスによる売り上げ拡大を狙う。また、通販サイトを統合したのを機に、百貨店では取り扱いのない専門店などをネット上に誘致して"仮想ショッピングモール"へと通販サイトを拡大構築することも視野にあり、2010年2月期で売上高40億円程度のネット販売を、早期に100億円規模に引き上げる。


 同社は今年3月、「通信販売サイト」「オンラインショッピング」「ファションモール」の3つに分かれていたサイトを「高島屋オンラインストア」に統合。モバイル通販サイトも開設して利便性の改善と商品ラインアップの強化を図った。

 これを機に、ネットと他のメディアミックスを推進。まずは、トライアルとしてカタログ顧客にネット商材を提案する。

 具体的には、店頭商材を販売する「ファッションモール」のコンテンツから、比較的購入しやすい価格帯の衣料品やコスメを集めて、16~20ページ程度のミニカタログを制作。30~40代の女性向けファッションカタログ「アイトゥロア」の顧客に対して同ミニカタログを同送してレスポンスを検証する。今後、テレビ通販とネットの連携など、あらゆるメディアミックスの形態を模索するという。
 
 また、「高島屋オンラインストア」への統合で、ようやくネット上の"本館"を整備した同社。効率化が求められがちなネット販売において、"買い物を楽しむ"という原点に返り、百貨店には店舗を構えていない専門店も呼び込んで、ネット上で一大ショッピング街を構築したい考え。

 サイトのフロント部分は高島屋が担当し、同社の決済システムを活用することで、一度に買い回りができる仕組みを構築したい考え。

 当面は新サイトの品ぞろえを充実させるが、リアルではショッピングモールなどの店舗開発を手掛けるグループ企業を抱えており、こうしたノウハウも生かして百貨店が取り組むネット販売のあり方を模索していく。


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