「Pontaポイント」を起点に、モール市場は物流が重要課題
前回に続き、リクルートライフスタイルが運営する仮想モール「ポンパレモール」での今年の重点施策について「ポンパレモール」の責任者の山下隆太プロデューサーに聞いた。
――2月に完全統合した「Pontaポイント」について、モール事業でのメリットは。
「リクルートサービスを使って貯めたポイントが(コンビニなど)Pontaの提携店舗で利用でき、ポンパレモールもその使い先の一つとなった。まだ1カ月程度の期間だが、実際にPontaポイントを持っている顧客がリクルートIDを使って新たに(リクルートの)サービスを利用するというケースが増えている。多い時で過去の2倍ということもあるようなので、集客面での効果は大きい」――ポイントをポンパレモールで使ってもらうための仕掛けは。
「Ponta会員が閲覧する公式サイト上での露出がある。モールでのお得なクーポンや商品、セール情報などを掲載してそこから流入してもらうようにしている。ポイントが貯まった後に使える先として『ポンパレモールがある』ということを認知してもらうことからになるだろう。例えば他社ではファミリーマートなどで得た『Tポイント』をECで使うと考えた時、今では『ヤフーショッピング』がすぐに想起される。それと同じようにローソンなどで貯めたPontaポイントはポンパレモール、というようにすぐ想起される世界を目指したい」――会員が増えたことで品ぞろえや訴求方法など何か運営面で変えていくことはあるか。
「(既存の)Ponta会員が新たにモールに来るのは『この商品が欲しいから』という動機より、『このポイントを消化したいから』というシンプルな理由が多いだろう。そのため今後はポイントを切り口にした提案をしていくことも大事になる。例えば、一人ひとりの持っているポイント数に対してマッチした商品を個別に提案したり、よりポイントが貯まりやすいキャンペーンを最適のタイミングで案内する方法などがあると思う」――統合で既存のリクルート会員がPontaの提携店舗先に流出してしまうデメリットは。
「もちろん、出ていくこともあると思うがそれはあまり気にしていない。むしろリアルとネットのサービスでうまく顧客を循環させて活性化することの方がメリットは大きくなるだろう。いずれにしても今後はPontaポイントを1つの軸として戦略を立てていくことは間違いない」――他のモールの動きや、今後の仮想モール市場の行方については。
「あくまでも個人的な見解だが、アスクルの『LOHACO』がポンパレモールと同じ頃に始まったこともあり注目している。日用品ユーザーを非常にうまく取り込んでいる姿を一顧客の視点で感じる。
やはり今年は物流面の改善が大きなテーマになるだろう。今は物流事業者でコンビニ受け取りや駅ロッカーの活用などオープン化に近い形での取り組みが進んでいる。ECを活性化させるためには物流面の顧客の負の解消というのは大きなテーマ。今の市場の流れがそこに向かって行っているので重要視している」
――物流施策で優先することとは。
「まず、速さが大事だと思う。当社も昨年夏から翌日お届けサービスを開始した。いわゆる『即時配送』に関しては、当社がモールとして自前で倉庫を持っているわけではないので、どこかとアライアンスを組まない限り難しいだろう。ただ、別の形で物流面の改善はできると思うので、そこに注力したい」 (おわり)→
インタビューの前編はこちら
前回に続き、リクルートライフスタイルが運営する仮想モール「ポンパレモール」での今年の重点施策について「ポンパレモール」の責任者の山下隆太プロデューサーに聞いた。
――2月に完全統合した「Pontaポイント」について、モール事業でのメリットは。
「リクルートサービスを使って貯めたポイントが(コンビニなど)Pontaの提携店舗で利用でき、ポンパレモールもその使い先の一つとなった。まだ1カ月程度の期間だが、実際にPontaポイントを持っている顧客がリクルートIDを使って新たに(リクルートの)サービスを利用するというケースが増えている。多い時で過去の2倍ということもあるようなので、集客面での効果は大きい」
――ポイントをポンパレモールで使ってもらうための仕掛けは。
「Ponta会員が閲覧する公式サイト上での露出がある。モールでのお得なクーポンや商品、セール情報などを掲載してそこから流入してもらうようにしている。ポイントが貯まった後に使える先として『ポンパレモールがある』ということを認知してもらうことからになるだろう。例えば他社ではファミリーマートなどで得た『Tポイント』をECで使うと考えた時、今では『ヤフーショッピング』がすぐに想起される。それと同じようにローソンなどで貯めたPontaポイントはポンパレモール、というようにすぐ想起される世界を目指したい」
――会員が増えたことで品ぞろえや訴求方法など何か運営面で変えていくことはあるか。
「(既存の)Ponta会員が新たにモールに来るのは『この商品が欲しいから』という動機より、『このポイントを消化したいから』というシンプルな理由が多いだろう。そのため今後はポイントを切り口にした提案をしていくことも大事になる。例えば、一人ひとりの持っているポイント数に対してマッチした商品を個別に提案したり、よりポイントが貯まりやすいキャンペーンを最適のタイミングで案内する方法などがあると思う」
――統合で既存のリクルート会員がPontaの提携店舗先に流出してしまうデメリットは。
「もちろん、出ていくこともあると思うがそれはあまり気にしていない。むしろリアルとネットのサービスでうまく顧客を循環させて活性化することの方がメリットは大きくなるだろう。いずれにしても今後はPontaポイントを1つの軸として戦略を立てていくことは間違いない」
――他のモールの動きや、今後の仮想モール市場の行方については。
「あくまでも個人的な見解だが、アスクルの『LOHACO』がポンパレモールと同じ頃に始まったこともあり注目している。日用品ユーザーを非常にうまく取り込んでいる姿を一顧客の視点で感じる。
やはり今年は物流面の改善が大きなテーマになるだろう。今は物流事業者でコンビニ受け取りや駅ロッカーの活用などオープン化に近い形での取り組みが進んでいる。ECを活性化させるためには物流面の顧客の負の解消というのは大きなテーマ。今の市場の流れがそこに向かって行っているので重要視している」
――物流施策で優先することとは。
「まず、速さが大事だと思う。当社も昨年夏から翌日お届けサービスを開始した。いわゆる『即時配送』に関しては、当社がモールとして自前で倉庫を持っているわけではないので、どこかとアライアンスを組まない限り難しいだろう。ただ、別の形で物流面の改善はできると思うので、そこに注力したい」 (おわり)→インタビューの前編はこちら