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前中期経営計画では、最終年度である10年2月期の売上高は677億5900万円、経常利益は58億6900万円を目標としていたが、実際には売上高は489億4600万円(前期比9.8%減)、経常利益18億1000万円(同49.1%減)と未達に終わった。
不況による消費の冷え込みが影響したほか、前期は衣料品の販売不振などにより客単価が下落。季節商品の在庫軽減のための値引き販売を行ったことで利益を圧迫した。なお、営業利益は17億3800万円(同48.7%減)、当期純利益は8億7100万円(同54.7%減)。ウェブ・モバイルからの受注率(10年2月)は前期から約4ポイント増の52.6%だった。
新中計では、新事業として「しあわせ生活プログラム」を立ち上げる。これは、現在の「コレクションシステム」(フェリシモが選んだ色・形の商品が毎月届く)に「複合的な価値をプラスしたもの」(大井実取締役コーポレートスタイルデザイン本部長)。生活や社会におけるさまざまな課題の解決や、想いの実現を提供する事業モデルだという。
たとえば、同社のヒット商品「500色の色えんぴつ」であれば、「子供がぬり絵で遊ぶことで知育につながる」、「家族全員でお絵かきを楽しむことで絆が深まる」など、商品の継続購入で生まれる、新たな付加価値を全面に押し出す商品群となる。長期予約型など、継続購入を促す商品を投入するコレクション事業とあわせて、新事業の販売・プロモーションを実施することで長期継続顧客の構成比を上げる。
また、前中計で新事業として立ち上げを予定していた、色や形など商品選択の幅を広げたり、回数を増やせたりするなど自由度を持たせたモデル「コネクション・システム」については、顧客や市場環境の変化に伴い、見直しを進めていたが、今期から本格展開を開始。同じく前中計の新事業となる、これまで取り扱っていない商品を、他社と協力して提供する「コラボレーション・システム」は実験的にさまざまな商品を展開してきたが、食品に絞った新事業として立ち上げる予定。「他にはない、特徴的な商品を販売する」(同)という。これらの新事業は、13年2月期には業績に寄与する見込みだ。