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八幡物産、機能性表示食品を強化へ

2016年 2月18日 15:05

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八幡物産はこの数年、媒体効率の悪化などから新規顧客の開拓に苦戦し、前期(2015年8月期)までの2年間で売上高が10億円程度減少したが、前期より利益を多少削ってでも広告を打って新客の獲得に専念していることに加え、機能性表示食品の「めばえ」などの販売開始もあって売り上げは下げ止まってきている。来期は機能性表示食品の拡充と本格展開で増収を計画。再び成長軌道に乗せる。

 近年、新客開拓のコスト効率が低下しているほか「国産グルコサミン」や「北の国から届いたブルーベリー」といった看板商品が発売から10年近く経ってピークを過ぎ、新規獲得効率が悪化。そこから生まれるリピーターの売り上げも目減りしていた。

 顧客の中心が年配者のため、テレビのスポットやインフォマーシャルを中心に、新聞広告を展開するほか、折込チラシなども実施。また、高齢者の購買行動が多様化していることを受けて、新客開拓を目的としたウェブ広告を強化。テレビで放映する商品をウェブ広告でも展開して消費者との接点を広げるなど、テレビの受け皿としてもウェブを活用しており、新規開拓のMR(メディアレーション)では成果が出ているようだ。

 また、最近ではスマホからの電話受注が増えているため、スマホのランディングページに電話ボタンを設けることでコールセンターへの導線を強化。すぐに問い合わせや注文ができるようにしているという。

 商品面については、機能性表示食品を拡充する方針だ。同制度がスタートしたことで、企業側はこれまでうたえなかったことが打ち出せるようになり、消費者も商品の機能をしっかり把握して購入できることから、「売り手と買い手の双方にメリットがある」(八幡清志社長)としている。

 同社では、ルテインを機能性関与成分とする「めばえ」を機能性表示食品の第1号として昨年7月に販売開始。半年間はハウスリスト向けのDMを中心に、テレビのテスト販売も含めて売り上げは6000万円程度だったが、今後はテレビ放映を強化することで初年度は3億円弱を見込んでいるという。

 今年3月には、主力商材のひとつである「北の国から届いたブルーベリー」も機能性表示食品(関与成分はアントシアニン)としての販売が始まるが、すでにブルーベリーは目に良いと思って購入している消費者が多いことから、「『めばえ』ほどの伸びは期待できない」(八幡社長)とするものの、潜在顧客の開拓や他社商品からの乗り換え需要も見込んで新規獲得効率は従来比5割増程度を計画している。

 同社はこれまでにSR(システマティックレビュー)としてルテインで2つ、アントシアニンでひとつの機能性表示食品が受理されているが、臨床もすでに3商品で着手しており、今年12月末までには7~8商品の受理を目指して準備を進めているようで、「これまで外部に頼ることなく自前で取り組んできたことで、スタッフのスキル向上が目覚ましく、応用が利く。さらに医薬分野で活躍された方の指導を受けながら精度を上げ、体制を強化して本制度を積極的に活用したい」(八幡社長)としている。

 16年8月期の売上高は前年比横ばいの50億円強、経常利益は5000万円程度とし、来期以降の増収増益につなげたい意向だ。

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