TSUHAN SHIMBUN ONLINE

インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社
記事カテゴリ一覧

機能性プラスαの商品戦略・セシール オリジナルブラ好調推移、従来と発想変えた商品名が寄与

2010年 4月 1日 17:42

 セシールは機能性を追及したオリジナルインナーの展開を積極化している。昨年にカップ内の通気性を高めた「呼吸するブラ」、「Tシャツみたいなブラ」、ワイヤーレスの「3D―BRA」などを投入。いずれも好調な売れ行きを見せているという。もともとインナーを得意とする同社だが、顧客の声を形にする商品開発力に加え、発想を転換した商品の訴求が寄与しているようだ。

 同社では、機能訴求型商品の展開を強化する戦略を推進。この一環として発熱・保温素材を使用したTシャツ等の「スマートヒート」シリーズ商品の拡販などに取り組んできた。インナーでもこの戦略に基づく展開を積極化させており、昨年は、インナーカタログ「セシレーヌ」を通じ、3月に「呼吸するブラ」、12月に「3D―BRA」となどの商品を投入している。

 「呼吸するブラ」は、女性顧客約1,650人に行ったアンケートで8割超の顧客が夏場のブラのカップのムレを悩みに挙げたことを受けて開発したもので、ブラのカップにたくさんの穴を開け通気性を高めたのが特徴。

 また、「3D―BRA」は、カップ部分だけではなくサイド部分まで体の丸みに沿うように一体化させた金型を使用し、バスのトップ位置を高く、中心よりに設定することで着け心地の良さと美しいバストラインを両立。ワイヤーなしのブラにありがちな胸元が横に広がる、安定しないといった悩みの解消を図った。

 もともとインナーを得意とし、商品開発力にも定評がある同社だが、顧客の要望に対応したことが奏効。着け心地やシルエットの美しさなどが評価され、各商品とも春夏商戦で好調な売れ行きを見せたが、もうひとつポイントとなっているのが「キャッチーな商品のネーミング」(広報)だ。

 同社によると、以前は商品名にカップの形状など機能的な要素を入れるケースも少なくなかったという。これは顧客が商品を理解できるような商品名の方が親切という考え方に基づくものだが、顧客にとって大事なのは実際の着け心地やシルエットといった要素。「天使のブラ」など他の下着メーカーの着け心地をイメージさせるような商品名と比較すると、訴求力に課題があったわけだ。

 これに対し同社は、数年前から商品のネーミングに関する方向性を転換。この流れを汲む形で08年に発売した「Tシャツのようなブラ」は、商品を着用した際のイメージとネーミングがマッチしたことなどから、発売後は「ブラ全体の中で毎シーズンベストファイブに入る人気商品になっている」(同)という。

 同社では、「呼吸するブラ」および「3D―BRA」についても同様の傾向があると見ており、今後も機能性とキャッチーなネーミングを備えた商品の展開を進めていく意向で、3月23日には、カップ芯地に繊維を織らずに絡み合わせたシート(不織布)の使用でカップ内のムレ感の軽減を図り、従来商品よりも約30%軽量化した「3D―BRA」の夏バージョン商品を投入。同商品については、「ブラの売れ筋ナンバーワン商品と同等以上の販売を目指す」(同)としている。
楽天 通販のよみもの 業界団体の会報誌「ジャドマニューズ」 通販売上高ランキングのデータ販売