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「茶のしずく石鹸」集団訴訟、和解協議が難航

2015年10月 2日 14:11

悠香の旧「茶のしずく石鹸」を巡る集団訴訟で、和解案の調整が難航している。9月に東京地裁が提示する予定だった。原告弁護団と被告3社は9月18日、和解案に関する話し合いの場を行った。だが、関係者によると、被告3社の和解案に関するスタンスが異なり調整は難航。11月に再び話し合う予定だが、「その段階で互いに納得いく案の調整は難しいと思う」(弁護団)との見通しを示しており、年内の決着は難しそうだ。

原告弁護団では、旧「茶のしずく石鹸」が要因とみられる小麦アレルギーの損害賠償について、その被害の程度によりAグループ(1500万円)とBグループ(1000万円)に分類して賠償を求めている。

 和解金額はこれを下回るとみられるが、弁護団は「(裁判所も早期解決を念頭に和解案提示に動いており)良い案であれば応じる考えはある」としている。一方で被告3社の和解に対するスタンスが異なり、和解案の提示が遅れているという。集団訴訟の関係者は、「裁判所から和解金額について打診はあるが被告3社のスタンスがまとまっていない状態。『和解に応じない』『よほど低額の損害賠償額でなければ応じるのは難しい』『のらりくらりとした対応で態度があいまい』といった形でスタンスが分かれている」としている。

 被告3社は、和解についてそれぞれ、「係争中のためコメントを控えさせてもらいたい」(販売者の悠香)、「係争中のためコメントを控えさせてもらいたい」(製造元のフェニックス)、「係争中の案であり、また守秘義務もあるため回答できない」(原料供給元の片山化学工業研究所の代理人弁護士)とした。

 複数社が被告になっている訴訟の場合、一般的に責任の度合いに応じて一定の割合ずつ負担する形になる。

 旧「茶のしずく石鹸」は2011年、利用者がアレルギー症状を起こしたと考えられる事例が報告されたことを受け、悠香が自主回収を開始。その後、回収を巡る悠香の対応に不満を持った利用者が原告となり、全国各地で弁護団が結成された。弁護団は、全国に20超。原告総数は1300人を超え、損害賠償請求額の総額は140億円超に上る。旧「茶のしずく石鹸」は、04年から約7年間で約4650万個をのべ約466万人に販売していた。


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