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2015年3月期の総合通販事業は、不採算広告媒体の廃止・縮小に加え、消費増税の影響を受けて前期比8・2%減の692億700万円にとどまった。一方、セグメント利益は原価率や物流コスト比率の改善などにより、同53・1%増の24億2100万円となった。新しい物流センターを昨年8月に開業したことで効率化が進み、物流費に占める人件費率が低下。金額にして約2億~2億5000万円程度の効果があったという。
同事業の前期末のアクティブ会員数は前期比10・7%減の400万人、新規顧客獲得数は同32・5%減の48万人。安野清社長は「値上げをしたことでリスト収集が遅れた。ここに力を入れることで増収ペースを回復したい」と説明。折込チラシやネットのほか、アパレル店舗でのリスト収集も行う。また、頒布会など他の総合通販にはない強みを活かす。「顧客が減っているのは確かだが、頒布会が好きな消費者は一定数存在するので、減少傾向に歯止めがかけられるのではないか」(安野社長)。さらに、テレビの活用も進める方針。
近年注力しているアパレル店舗に関しては、黒字を出している既存店に限ると平均7・2%の営業利益率を確保しており、今後はオペレーションの改善で10%に引き上げる。今後は店舗専用商品の投入を予定。出店も引き続き進める方針で、前期末の店舗数は33店舗だが、19年3月期までに160店舗以上の体制とする。
ファイナンス事業は、過払い金返還で一時期低迷していたものの、積極的な媒体展開もあり、営業貸付金残高が拡大している。総量規制の影響で、消費者金融の顧客のうち、約45%が同社からのみ借りている状況で、貸し倒れ率も1%前後まで減少。過払い金返還は一段落しており、通販顧客の支払い履歴による与信能力を強みに事業を拡大する。前期末の国内消費者金融事業融資残高は149億円だが、19年3月期の同残高は220億円以上を見込む。
プロパティ事業ではホテル事業を拡大しており、07年2月に同社関係会社が取得した、岩手県花巻市の「山の神温泉 優香苑」の売上高は、取得前から約2倍に拡大したという。また、3月にはスリランカに高級リゾートホテルを建設することを発表しており、今後はさらなる海外でのリゾートホテル展開も計画する。
19年3月期の営業利益は160億円を見込んでいるが「200億円を目指したい」(同)としている。