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爽快ドラッグ、下期売上拡大策を積極化

2014年10月23日 10:27

爽快ドラッグは今下期(14年10~15年3月)、売り上げの拡大策を積極化する。この一環として、仮想モールで展開する特定カテゴリーに特化した専門店の運営を強化するほか、11月初め頃をメドにポンパレモールに出店。今年4月に買収したベビー関連商品ネット販売のあかちゃんハウス一二三との連携の深耕などにも取り組む。同社は9月下旬に神奈川県相模原市に物流センターを新設。一連の取り組みで新センターの固定費負担をカバーする売り上げを作るとともに、価格を中心とした日用品ネット販売の競争激化、仮想モールの出店料金体系の多様化など商環境の変化に対応した販売手法の確立を目指す。

 爽快ドラッグでは、これまで大阪の基幹物流センターをメーンに活用してきたが、規模的な関係で在庫できる商品に限りがあり、在庫のない商品の場合、取り寄せのため顧客へ商品を届けるまでに時間が掛かるという課題があった。

 今回、新設した相模原の新物流センターは、この課題の解消を狙ったもので、規模は大阪に所在する2カ所の物流センターとほぼ同等の約5300坪。5~6万SKUの商品の取り扱いが可能で、実際の注文商品の8~9割程度はカバーできるという。

 現状、一部機能をテストしている段階だが、10月末頃をメドにフル機能が活用できることを確認した上で、全取扱商品の25%程度を相模原の新センターに移管する考えだ。

 相模原の新物流センターは、同社としても初の先行投資と言えるもので、同センターの稼働により、年商400~500億円規模(2013年度実績195億円)に対応する体制を整備。「300億円程度までいけば、コスト競争力がつく」(小森社長)とする。今後2年程度でこれを達成する考えだが、それまでの間は投資負担をカバーするため、今下期は売り上げ拡大策を強化する。

 まず、品ぞろえの面では、一般用医薬品の強化を進めており、9月中旬頃から第2類医薬品の取り扱いを開始した。順次、取扱商品を拡充しており、現在の取扱商品数は第3類も含め約1500SKU。これを11月中に3000SKUにまで引き上げ、年内中には5000SKU程度とする考え。並行して第1類医薬品の販売に向けた準備も進めている状況だ。

 一方、仮想モールでの専門店の多店化にも取り組んでおり、以前から「ヤフーショッピング」「楽天市場」で展開するペット関連商品のペット店に加え、8月中旬に飲料のドリンク店を開設。

 特に、水は新規顧客の入口となる同社の基幹商材だが、同業のネット販売事業者が価格攻勢を掛けるなど競争が激しくなっている。

 これに対しドリンク店では、販促手法や売価設定、送料無料の購入金額ラインなどを見直し、他サイトとの違いを打ち出す方向で展開。従来、埋もれていた商品を訴求する場であったペット店についても、この10月中にEDLP型の展開に移行しており、「爽快ドラッグ」と同じだった売価設定を引き下げる一方、送料無料の金額ラインを引き上げまとめ買いを促す形にしている。

 同社は11月をメドに「爽快ドラッグ」として「ポンパレモール」にする予定だが、同モールでも専門店の展開を検討。仮想モールごとに異なる特徴や出店料金体系などを加味しながら、多様な専門店の展開を進めていく考えだ。

 また、今年4月に買収したベビー関連商品ネット販売のあかちゃんハウス一二三との連携の深耕も進める。

 この部分では、8月にあかちゃんハウス一二三の本社を爽快ドラッグに移転するほか、爽快ドラッグの顧客にメールであかちゃんハウス一二三のサイトを告知し誘導する取り組みを行っているが、さらに販売面でのシナジー効果を高めるため、爽快ドラッグおよびあかちゃんハウス一二三の通販サイトで双方の商品を掲載できるようにするシステム改修作業を進めている状況で、あかちゃんハウス一二三の物流センターを増床し、爽快ドラッグが扱うベビー関連の消耗品を在庫できる体制を整えるなど、物流面での連携にも取り組む。

 あかちゃんハウス一二三については、爽快ドラッグが買収して以降、業績が順調に推移。M&Aの成功事例となっていることから、さらにシナジー効果の高い商材や機能を持つ事業者のM&Aも具体的に検討しているようだ。

 今上期は引き続き増収だったものの、基幹商材となる水で競合他社の価格攻勢などで伸びを欠いたという。下期は一連の売り上げ拡大策を進め、通期で2桁増収を維持する考え。利益面では新物流センター関連の固定費負担もあるが、「早期に体制を整え、20%超の成長を目指す」(小森社長)とする。

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