白洋舎の「ホワイトクラブ」 優良顧客に向け独自手法
60代の消費動向にマッチした新たなビジネスの展開を目的に、小売・製造などの有力企業や地方の中小企業、団体、自治体で構成するGS世代研究会は、昨春に開始したカタログ通販が順調な推移をたどっているようだ。会員企業でクリーニング事業を行う白洋舎の優良顧客向けに、地方の中小会員企業が扱う物産品を販売するもので、白洋舎では顧客サービスの強化、中小会員企業側では販路開拓などで一定の成果が出ているようだ。さらに他の会員企業でも、同カタログを営業ツールとして活用や自社顧客向けのカタログ通販を計画するところがあるなど、展開が広がりつつある。
昨春から始めた白洋舎の顧客向けのカタログ通販は、GS世代研究会の会員企業同士の連携を基盤としたもの。カタログ「White Club(ホワイトクラブ)」(A4判8ページ)は年4回の発行で、GS世代研究会の会員企業数社の出資で昨年10月に設立したグッドセレクトが制作を担当する。
掲載商品は、GS世代研究会会員企業から募り、試食など行い選定する仕組みで、20アイテム弱の掲載商品数に対し、応募倍率は毎号3~4倍になるという。
誌面については、巻頭にGS世代研究会に加入する自治体の特集ページを設け、当該地域の商品を紹介しているのが特徴。自治体を巻き込んだ取り組みができるGS世代研究会ならではのもので、表紙に当該自治体の首長を起用するといった試みも行っている。
また、カタログの展開では、配布対象を白洋舎が擁する約6万人の優良顧客とし、白洋舎の担当者が敵的に顧客宅を訪問してクリーニング品の集配を行う際に配布。フェイストゥフェイスの関係性を活かし、集配担当者が商品の紹介や注文の受け付けや代金の回収なども行う。白洋舎からの受注データについては、グッドセレクトが集約してカタログ掲載商品を扱う会員企業に伝達し、それをもとに商品を発送する仕組みだ。
白洋舎としては、カタログ通販を通じ、生鮮品や惣菜など付加価値の高い各地の商品を紹介することで、自社の優良顧客に対するサービスの向上が期待でき、商品を提供する会員企業側も人手の問題などで難しかった通販での販路拡大、さらに富裕層が含まれる白洋舎の優良顧客に確実にリーチできるのがメリット。また、商品が売れた場合、白洋舎側にマージンが入るようにすることで、集配担当者が顧客に積極的に商品を紹介してくれるようにしているのも大きなポイントと言える。これまでの展開での細かな売り上げ状況は不明だが、価格5万円の松阪牛を購入する顧客がいるなど、富裕層を意識した施策が一定の成果を挙げているようだ。
一方、GS世代研究会を基盤としたカタログ通販の展開は拡大しつつあり、同研究会会員の朝日生命が白洋舎のカタログ「ホワイトクラブ」を都内の自社顧客に配付することを検討している。
朝日生命の場合、保険業法の関係で保険以外の事業で収益を挙げることができないため、表示価格の10%オフで購入できる特典を付与するなど、顧客サービスのツールとして同カタログを活用。白洋舎側としては、代金回収を通じて新規顧客との接点ができるのがメリットだ。
このほかにも、同研究会会員のユニバーサルホームが今秋をメドに自社顧客向けのカタログ通販を計画しているという。
GS世代研究会の会員数は約350。会員企業の業種は、小売や製造、サービス、金融機関など多岐にわたり、優良顧客を持つところもある。
同研究会では、会員企業同士の連携などを通じ、60代に向けた新たな商品・サービスの展開などを目指すが、有力な会員企業の顧客基盤に向け、地方の中小会員企業が扱う高付加価値商品を展開するカタログ通販の今後の動向が注目されるところだ。
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掲載商品は、GS世代研究会会員企業から募り、試食など行い選定する仕組みで、20アイテム弱の掲載商品数に対し、応募倍率は毎号3~4倍になるという。
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また、カタログの展開では、配布対象を白洋舎が擁する約6万人の優良顧客とし、白洋舎の担当者が敵的に顧客宅を訪問してクリーニング品の集配を行う際に配布。フェイストゥフェイスの関係性を活かし、集配担当者が商品の紹介や注文の受け付けや代金の回収なども行う。白洋舎からの受注データについては、グッドセレクトが集約してカタログ掲載商品を扱う会員企業に伝達し、それをもとに商品を発送する仕組みだ。
白洋舎としては、カタログ通販を通じ、生鮮品や惣菜など付加価値の高い各地の商品を紹介することで、自社の優良顧客に対するサービスの向上が期待でき、商品を提供する会員企業側も人手の問題などで難しかった通販での販路拡大、さらに富裕層が含まれる白洋舎の優良顧客に確実にリーチできるのがメリット。また、商品が売れた場合、白洋舎側にマージンが入るようにすることで、集配担当者が顧客に積極的に商品を紹介してくれるようにしているのも大きなポイントと言える。これまでの展開での細かな売り上げ状況は不明だが、価格5万円の松阪牛を購入する顧客がいるなど、富裕層を意識した施策が一定の成果を挙げているようだ。
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朝日生命の場合、保険業法の関係で保険以外の事業で収益を挙げることができないため、表示価格の10%オフで購入できる特典を付与するなど、顧客サービスのツールとして同カタログを活用。白洋舎側としては、代金回収を通じて新規顧客との接点ができるのがメリットだ。
このほかにも、同研究会会員のユニバーサルホームが今秋をメドに自社顧客向けのカタログ通販を計画しているという。
GS世代研究会の会員数は約350。会員企業の業種は、小売や製造、サービス、金融機関など多岐にわたり、優良顧客を持つところもある。
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