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ニッセン、物語閲覧でネット誘導 絵本仕立ての巻頭企画、秋カタログで展開

2009年 8月17日 22:43

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 「物語の続きはネットでご覧下さい」――。ニッセンは8月発行の秋カタログに絵本仕立ての企画ページを設け、カタログから自社サイトに顧客を誘導するという一風変わった取り組みを行っている。主人公に同社のイメージキャラクターである女優の田中麗奈さんを起用し、絵本の世界観を出しながら商品を訴求。絵本への感想など、顧客からの書き込みメッセージを金額に換算し、福祉団体に寄付するという社会貢献活動の要素も取り入れた新機軸の試みだ。

同社は今年、「Heart to heart~つながってるね、ココロ。~」をキャッチフレーズに毎シーズンのカタログ巻頭で「女性」「環境」「子供」を支援する社会貢献型の販促企画を実施。今回の絵本企画は、この一環として展開するもので、「子供」の支援をテーマに設定した。

絵本のタイトルは、「ハートのかけら」。ハートのかけらを探す旅に出た田中麗奈さん扮する主人公が、様々な体験を通して大切なコトに気付いていくという内容で、身近にある幸せに気付くことの重要性を伝える。

カタログでは、巻頭8ページで企画を展開し、6ページ分でストーリーとともに、商品を着用した田中さんの写真で商品を訴求。掲載商品は、「ティアードワンピース」「ポンチョ」「ハーフパンツ」「フリル付スカート」など6アイテム(中心価格2,9903,990円)で、絵本の世界観に合致したものを選定し、20代後半―30代女性向けに提案している。絵本仕立ての背景イラストの制作はウェブディレクターのRyo Imuraさんが担当した。

 また、カタログに掲載しているのは物語の途中まで。全編はネット上で閲覧する仕組みとすることにより顧客をカタログから自社通販サイトに誘導する仕組みで、814日に専用サイトを開設する予定。カタログ未掲載の画像を動画で見られるようにするなど、ネットで顧客の購買意欲を喚起する試みも盛り込んでいる。

さらに今回の取り組みでは、顧客に絵本の感想や未来の子供たちに向けたメッセージなどの書き込みを受け付け、書き込まれたメッセージの件数を金額に換算し、財団法人「がんの子供を守る会」に寄付する。他社でも、対象商品を設定し売上金の一部を福祉団体等に寄付する試みが行われているが、書き込みを利用することで、顧客やコンテンツの閲覧者が気軽に社会貢献活動に参加できる形にした。

 大手総合通販では、カタログからネットへのシフトに取り組んでいるが、絵本のストーリー展開を切り口にサイトへの誘導を図るという今回の企画の動向が注目されるところだ。

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