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検討課題は、(1)食品の新たな機能性表示制度に係る安全性確保のあり方、(2)食品の機能性表示を行う上で必要な科学的根拠の考え方、(3)消費者にとって誤認のない食品の機能性表示の方法のあり方。健食を含む加工食品、農林水産物の機能性表示を含め検討する。
消費者庁では、必要に応じて関係者からヒアリングを行う。厚生労働省、農林水産省も何らかの形で検討会に参加する。消費者委員会への諮問については今後検討する。
検討会委員は14人。消費者庁では「専門的見地からさまざまな角度で意見がうかがえるよう最大限配慮した」と、人選の理由を説明。座長には、大阪大学名誉教授で住友病院院長の松澤佑次氏を選出。農作物や健食の機能性評価に関わる学術分野の委員を多く配置した。
業界団体からは、日本通信販売協会と健康食品産業協議会が参加する。
日本通信販売協会は、すでに自主規制の一環として健食事業者登録制度を実施。日常的に消費者と接する販売事業者の集まりでもある。消費者に誤認のない表示のあり方や、届出制導入に関わる議論における提言が期待される。
健康食品産業協議会は、日本健康・栄養食品協会(日健栄協)をはじめ業界8団体で組織する。ただ、「実態として日健栄協と同体」との声もある。機能性表示では、第三者認証制度の実施をめざしている。
このほか委員に選ばれた相良治美氏は、107年の歴史を持つ月刊誌「食生活」の編集長。食品の生産現場から中間事業者、末端の消費層まで幅広い取材実績があり、消費者庁では現場の声を反映させた意見を求めていく。
検討委にJADMA・宮島氏、消費者の「知る権利」訴える
注目の機能性表示検討会委員に、ファンケルの宮島和美社長が選ばれた。消費者庁検討会の委員は二度目。前回の検討会はエコナの安全性問題で、防戦一方を強いられたが安定感のある発言で会を軟着陸に導いた。
今回は一転、機能性表示の導入という好機を迎え、再度業界を代表して舞台に上る。
一貫して訴えるのは消費者の「知る権利」と「選択できる権利」の担保。健康食品の現行制度ではこれが侵害されていると主張する。
一方で先の検討会では業界の自主規制案も提案。これが日本通信販売協会(JADMA)の健食事業者登録制度に繋がった。会長を含め、JADMAの要職を長く務めており、大局観とぶれないスタンスに、関係者の信頼は厚い。
「機能表示は長年持ち越した課題。お客様視点を重視し、良い方向に持っていかねばならない」。健食の歴史のメルクマークとなる重要な検討会。四六通知から42年を経て、ここに至るまで多くの先人の苦労もあった。
自らに託された歴史のバトンを良い形で後世に渡すべく、気を引き締める。