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当該層に向けた媒体では、季刊誌の「sage(サージュ)」と年2回発行の「時好(じこう)」を展開。従来は主力の「三越カタログ」と一緒に届けていたが、夏号から改めた。
両媒体の送り先を絞り込んで配布部数を20~30%カットしたものの受注は好調で、とくに「サージュ」は前年に比べ30%程度伸びた。というのも、これまでは年齢が分からないテレビ通販の購入客にも主力媒体と一緒に配布していたため効率が悪かったという。
一方、今年5月下旬に季刊誌「I'm(アイム)」をスタート。新媒体ではナチュラルでリラックスできる日常着を、既存の「サージュ」はカジュアルで女性らしい服、「時好」は大人の女性の格好良さを追求した服など、シーン、スタイル別に売り場をより明確にするとともに、3誌は1つのチームが企画と仕入れを担当。カタログもターゲット層に一緒に届けるようにした。
新媒体の「アイム」は通販カタログの経験がない制作会社に依頼したほか、商品自体も約半数が新規取引先から仕入れるなど従来の枠にとらわれない実験的なカタログだ。
実際に、同社の他媒体とは逆開きのクリエイティブを採用したほか、表紙もモデルの顔を途中で切るなど、より服にクローズアップした。また、写真に文章を載せすぎず、コピーも商品ごとには入れないなどの新ルールを適用。その代わり、ストーリー仕立てで商品を紹介することで、コピーがなくてもコンセプトや着用シーンなどを分かりやすくした。
10月下旬発刊の冬号では、ページ数を増やしたものの各ページに余白を持たせることで見やすくした。一方、夏号と秋号では表4に商品を掲載していなかったが、冬号では表紙の商品を展開するなど、通販カタログらしさも出した。ウェブではスタイリストの石田純子さんによる着こなしレッスンを動画で配信。5のキーアイテムそれぞれで3つの着回しを紹介し、誌面では伝えきれない情報を発信している。
仕入れ担当者が同じこともあり、MD面では「アイム」と「サージュ」で一部、同じ商品を展開。例えば、同じアクセサリーやベルトをモデルやコーディネートを変えて両媒体で販売する試みなども行っている。
「アイム」の売り上げは夏号、秋号と振るわなかったが、クリエイティブを修正した冬号は上向いているようだ。今後も試行錯誤しながら3誌でターゲット層の囲い込みを図る考えで、「サージュ」と「アイム」など媒体をまたいでの買い回りも出始めているという。