有名通販サイトに見せかけるなどして消費者から注文を受けて振り込ませ、実際には商品を発送せずに代金をだまし取る「偽サイト」が氾濫(はんらん)している。消費者の被害も深刻だが、商品名での検索で偽サイトが上位に表示されることもあり、有名サイトと勘違いして購入してしまう消費者もいるだけに通販サイトの対策が必要となっている。
東京・大阪に実店舗を持ち、通販サイトも広く展開する池部楽器店が「偽サイト」に気付いたのは今年6月。「トランペット専門の楽天市場店のトップページ画像を、ほぼそのまま流用していた」(渋谷エリアマネージャーの高橋政裕課長)という(
本物のサイト㊦に見せかけた偽サイト㊤)。
その後、同社のサックス専門通販サイトの「偽サイト」も確認。サイト名こそ「イケベ楽器」は使っていないものの、同社の店舗ロゴを入れた商品画像や説明文などを盗用しており、中には実店舗の電話番号が入っている商品テキストもそのまま盗用するケースも。さらには「本物」より2割引で販売するなど、明らかに消費者の誤解を誘うサイトだった。
これらの偽サイトは、支払い方法が銀行振込のみとなっているほか、口座名義が中国人名で、さらにサイトで使っている日本語がやや不自然なのが特徴だったという。
同社では「メールでの警告などを行ったが、なしのつぶて」(同)だったほか、偽サイトに商品を注文した消費者からの問い合わせがあったことから、警察や弁護士に相談。「おとりの商品」で消費者から代金をだまし取る「詐欺サイト」であることは判明したものの、「現段階では銀行口座の凍結しかできないと警察からは言われた」(同)という。偽サイトは海外のサーバーにあり、日本の警察が閉鎖させることはできないためだ。通販サイト側からみれば商標権侵害や著作権法違反などが疑われるケースだが、「被疑者が不明だけに警察が動くのは難しい」(同)のが実情という。
その後、主力商品であるギター関連でも偽サイトが出てきたため、同社では「悪質な偽サイト(詐欺サイト)にご注意ください」という勧告を、商品別通販サイトの情報をまとめた総合サイトに掲載。さらに、商品名での検索で偽サイトが上位に表示されていたことから、グーグルに検索からの排除を求めて通報した。「1カ月ほどで検索にかからなくなった」(高橋課長)という。また、最近ではセキュリティーソフトに「危険サイト」として詐欺サイトが登録され、ソフト利用者のアクセスをブロックするケースも出てきている。
被害にあっているのは池部楽器店だけではない。最近はこうした詐欺サイトの情報をまとめたサイトも出てきているが、家具やブランド品などで消費者の被害が目立つ。いずれも市価よりかなり安く販売しているのが特徴だ。偽サイトを放置しておけば、消費者からの問い合わせへの対応は増えていくのは間違いないだけに対策は必要となるが、取られる手間も馬鹿にならない。
高橋課長は「調査中に判明した偽サイトはできる限り当該サイトに通報するようにしているが、気付いていない会社も多いようだ」と話す。対策として実効性があるのは、警察へ相談して口座を凍結してもらうことと、グーグルへの通報だ。「検索から排除されることで注文が少なくなるのか、閉鎖していくケースが多い」(同)。
最近は複数の通販サイトから商品画像や説明文を盗用し、一つのサイトにまとめて掲載するケースも出てきているという。一見すると、どのサイトから流用しているのか分かりにくいのが特徴だ。こうした偽サイトはどれもデザインなどが似通っており、「一時期、どのサイトも『全品送料無料』を『全場送料無料』と誤記したバナーを使用していた」(同)ことから、同じグループが詐欺を行っている可能性が高いとみられる。
消費者側が価格につられず、安易に代金を振り込まないようにすることが重要だが、通販サイト側も思わぬ形で苦情を受けることがありうるだけに、自社サイトの「偽物」が出現していないかどうか、チェックする必要がありそうだ。
東京・大阪に実店舗を持ち、通販サイトも広く展開する池部楽器店が「偽サイト」に気付いたのは今年6月。「トランペット専門の楽天市場店のトップページ画像を、ほぼそのまま流用していた」(渋谷エリアマネージャーの高橋政裕課長)という(本物のサイト㊦に見せかけた偽サイト㊤)。
その後、同社のサックス専門通販サイトの「偽サイト」も確認。サイト名こそ「イケベ楽器」は使っていないものの、同社の店舗ロゴを入れた商品画像や説明文などを盗用しており、中には実店舗の電話番号が入っている商品テキストもそのまま盗用するケースも。さらには「本物」より2割引で販売するなど、明らかに消費者の誤解を誘うサイトだった。
これらの偽サイトは、支払い方法が銀行振込のみとなっているほか、口座名義が中国人名で、さらにサイトで使っている日本語がやや不自然なのが特徴だったという。
同社では「メールでの警告などを行ったが、なしのつぶて」(同)だったほか、偽サイトに商品を注文した消費者からの問い合わせがあったことから、警察や弁護士に相談。「おとりの商品」で消費者から代金をだまし取る「詐欺サイト」であることは判明したものの、「現段階では銀行口座の凍結しかできないと警察からは言われた」(同)という。偽サイトは海外のサーバーにあり、日本の警察が閉鎖させることはできないためだ。通販サイト側からみれば商標権侵害や著作権法違反などが疑われるケースだが、「被疑者が不明だけに警察が動くのは難しい」(同)のが実情という。
その後、主力商品であるギター関連でも偽サイトが出てきたため、同社では「悪質な偽サイト(詐欺サイト)にご注意ください」という勧告を、商品別通販サイトの情報をまとめた総合サイトに掲載。さらに、商品名での検索で偽サイトが上位に表示されていたことから、グーグルに検索からの排除を求めて通報した。「1カ月ほどで検索にかからなくなった」(高橋課長)という。また、最近ではセキュリティーソフトに「危険サイト」として詐欺サイトが登録され、ソフト利用者のアクセスをブロックするケースも出てきている。
被害にあっているのは池部楽器店だけではない。最近はこうした詐欺サイトの情報をまとめたサイトも出てきているが、家具やブランド品などで消費者の被害が目立つ。いずれも市価よりかなり安く販売しているのが特徴だ。偽サイトを放置しておけば、消費者からの問い合わせへの対応は増えていくのは間違いないだけに対策は必要となるが、取られる手間も馬鹿にならない。
高橋課長は「調査中に判明した偽サイトはできる限り当該サイトに通報するようにしているが、気付いていない会社も多いようだ」と話す。対策として実効性があるのは、警察へ相談して口座を凍結してもらうことと、グーグルへの通報だ。「検索から排除されることで注文が少なくなるのか、閉鎖していくケースが多い」(同)。
最近は複数の通販サイトから商品画像や説明文を盗用し、一つのサイトにまとめて掲載するケースも出てきているという。一見すると、どのサイトから流用しているのか分かりにくいのが特徴だ。こうした偽サイトはどれもデザインなどが似通っており、「一時期、どのサイトも『全品送料無料』を『全場送料無料』と誤記したバナーを使用していた」(同)ことから、同じグループが詐欺を行っている可能性が高いとみられる。
消費者側が価格につられず、安易に代金を振り込まないようにすることが重要だが、通販サイト側も思わぬ形で苦情を受けることがありうるだけに、自社サイトの「偽物」が出現していないかどうか、チェックする必要がありそうだ。