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「選ばれ続ける企業であるためには変化しなければならない。変化するには、自由な発想とそれを形にする情熱、行動力が必要になる...」。ランクアップは昨年末、「挑戦」「信頼」「人の役に立つ」からなるコアバリューを定めた。すべてを紹介できないが、これは「挑戦」の意味を示す一節だ(一部抜粋)。
ランクアップは創業来8期連続で増収を達成。競争が激化する化粧品市場にあって順調に業績を伸ばしてきた。
こだわり抜いて開発したクレンジングを主力に展開。目新しいコンセプトが支持を得、「特に売上目標を定めず、それでも順調に伸びてきた」(岩崎社長)という。ただ、約30人の社員を抱えるまでに成長する中で部署間の交流が希薄になり、価値判断の基準も共有できなくなっていた。
仕事内容を評価しづらいことも社員のモチベーション低下につながっていた。
通販は、会報誌の制作や電話によるコミュニケーションなど社内業務が中心。その貢献度を定量的に評価するのは難しく「例えば、顧客サービス一つとっても、その向上に終わりはないため評価されなくなっていく」(同)。こうして社員が自らの仕事に目標を持ちにくくなり、組織全体の活力も削がれていった。その中で取り組んだのがコアバリューや企業理念の改訂だった。
例えば、"こんなことをしたらお客様から指摘をいただいてしまう"という施策。「これまでは顧客の反応を恐れ、控える風土が蔓延していた」(同)という。だが、改訂後は「"それならば、事前に想定質問を考えて対応しよう"と、各社員が新しい施策に挑戦しつつ、いかに顧客と信頼関係を築くか考える姿勢に変化した」(同)という。価値観の共有に向け、社内研修を行う外部企業を活用して、全社研修やリーダーシップ研修も始めた。
今年は、来年4月入社の新卒採用も初めて実施。組織風土の醸成に向けた新卒入社の影響を期待する。来年1月には人事評価制度の導入も予定。各社員に成長を促す機会を作っていく。
新興企業は、成長段階に応じていくつもの経営課題に直面する。その分岐点に差し掛かるランクアップも成長の痛みを乗り越え、さらなる飛躍を目指す。