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協会が見解を示したのは、「週刊文春」の2月14日号に掲載された「誌上検証 『効くサプリ』と『効かないサプリ』」と題する記事について。誌面では健食によく使われる15成分・素材を取り上げ、医師のアドバイスや論文を例に利用上の注意点などを論じている。
これに対し、「『週刊文春』の記事に関して」と題された協会の主張は概ね2つ。記事を精査した結果、(1)グルコサミンとヒアルロン酸では、記事に紹介された以外にもヒト試験で有効性を示した論文があり、消費者庁の「機能性評価モデル事業」でも評価されている、(2)レスベラトロールも学術誌にヒト試験に関する論文がある(記事ではヒトでの有効性が不十分としている)というものだ。どうにも記事全体に通ずる主張というより細部の指摘に思えるが、最後に協会独自の「食品機能性評価事業」が進行中で、「今後も健食の科学的根拠を調査し、消費者の健康の一助となるよう努力したい」と、決意表明で結んでいる。
協会に掲載の目的を聞くと、「会員企業と一般の方に協会としての考え方を伝えたかった」という。ただ、その真意は伝わりにくい。記事に対する抗議なのか重ねて尋ねたが、「事を荒立てる目的はない。そうした意図は分からないようにしている」という。意図が不明確なのも当然だ。
理由は、機能性の科学的根拠自体、現状で明らかでない部分が多く「どこが正しく、どこが正しくないか、根拠を示して言えない状況」だからだという。このため、記事に不足する部分の指摘に留まったようだ。
確かに、見方によっては記事が健食の危険性をミスリードする部分もあるのかもしれない。とはいえ、旗幟を鮮明にせず、中途半端な見解をただ示すことに何の意味があるのか。記事の内容はともかく、不満があるならば正確性を問わなくとも、意見表明などほかにやり方はあるように思える。
協会は、週刊文春サイドに「(抗議文や質問状は)送っていない」とし、今後も何らかの行動を起こす予定はないという。5月をめどに進める機能性評価事業の結果公表に向けて努力し、機能性の裏づけを蓄積するのが、記事に対する答えだと話す。
2010年、協会は公益法人を目指し協会改革を進めるにあたり、「健食について誤解を招きやすい報道に企業側の見解を明確に示す機能が必要」(林裕造前理事長)として広報活動の強化を改革骨子の一つに挙げていた。
変わろうとする姿勢は理解できるが、これでは反対に弱腰を露呈させただけ。公益法人の栄誉は手に入れても中身が変わらなければ、存在感はますます薄れてしまうのではないか。今後の協会改革に期待したい。