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同社が発刊したのは「ジャストシーズン・カタログ」(A4判・約20部)。本格的に寒くなり始めた12月初旬に、需要の高まるコートやマフラーなどの婦人衣料を中心に50ページで構成、約100アイテムを商品政策から新たに組み立てて、作成した。
従来、12月初旬には重要顧客向けに、その年のカタログに掲載した商品から三越の〝一押し〟を集めた「三越・季節のベストカタログ」を送付していたが、今回はこれに発想の異なる新カタログも同封した。
新カタログの発刊に当たっては、足元の消費の落ち込みが厳しいことから、約3カ月という短い期間で企画し、〝旬の商品〟だけを、値ごろ感を出して販売する方針で臨んだ。
通常、カタログの企画段階から実際の販売までは半年近くを費やす場合も多いが、発刊までの期間を短くすることで、より消費者の求める価格帯やトレンド、シーズン性を反映させることができたという。
また、配布先が優良顧客のみで受注数量が予想しやすかったため、委託商品、買い取り商品ともに調達量を絞り込んで、無駄の少ない生産体制で展開。その結果、従来よりも値ごろ感のある価格設定が実現した。
例えば、トレンドのチェック柄と無地のリバーシブル仕立てで、2通りに着用できるダウン入りのコート(税込み1万5,800円)などが売れ筋で、商品のシルエットや品質、価格面を総合的に判断して購入している顧客が多いようだ。
新カタログの受注期間は短く、役割は限られるものの、三越では1月初旬に新春カタログを発刊しており、「繁閑の差を埋め、うまく新春号にバトンをつなげたのでは」(同社)と分析する。
今後、新カタログの実績を詳細に検証し、今冬の発刊に生かす。また、今夏には「ジャストシーズン・カタログ」の夏版を発刊したい意向だ。
夏物衣料については、使用する生地も薄く、値ごろ感が出しにくいため、単価を下げるのではなく素材転換などによるお得感の演出など、新たな取り組みが必要になるとしている。