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今回、問題となったのは、三陽商会が今年8月11日―9月25日に全国の百貨店で販売した「マッキントッシュ フィロソフィー」のニット3品番、計155点で、下げ札や品質表示タグの原材料表示に「カシミヤ25%」と記載していたが、実際にはカシミヤは使用されておらず、「綿25%」の誤りだった。
同社では、同ブランドの商標使用権を英社から得て販売しているが、企画・生産は自社でコントロールし、品質表示内容も自ら決定している。
三陽商会では商品の企画後、生産は指定工場に委託し、同時に下げ札などの品質表示は別企業に発注。この段階で「綿25%」と表記すべきところを人為的なミスで「カシミヤ25%」とした。
通常、製品が完成する前のテキスタイルを第3者機関で検査してデータと照合するが、納期に追われて検査前にゴーサインを出したようだ。この結果、チェック機能を素通りして店頭に出回った。
今年10月、同社は同件について家庭用品品質表示法を遵守していない表示があったとして自主回収を行う旨を消費者庁に申し出るとともに、購入者には個別連絡や店頭告知で回収を進め、連絡先が分からない十数人を除いて返金などで対応した。
同社では消費者庁からの措置命令を受け、「真摯に受け止めており、再発防止に全力を挙げる」(広報部)としている。
消費者は品質表示や産地表記などを頼りに購入しているため、誤表示はあってはならない。しかし、前回のファミリーマートについては事件発覚後に商品の販売が中止され、3カ月が経ってからの措置。今回も当該商品は店頭から撤去され、告知してから約2カ月が経過している。
景表法違反に関連する事例の中で、業界大手を狙い撃ちしたかのような措置命令の発動には通販関係者も神経を尖らせており、消費者庁の法執行のあり方を懸念する声は高まりそうだ。