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千趣会 オーガニックコットンの認知向上へ、若い世代の理解を深耕

2012年 6月29日 19:05

0811.jpg通販各社が展開する商品の中には、そのコンセプトを顧客に理解してもらうことが欠かせないものがある。3年間、農薬や化学肥料を使っていないインドの農地で、農薬・化学肥料を使わずに生産された「オーガニックコットン」使用商品は、その代表例と言えるものだろう。"オーガニック"響きから、顧客側も環境に配慮した素材の商品というイメージはあるらしい。だが、農薬などにより汚染された農地の土壌改善という本来的な目的、さらに「オーガニックコットン」商品の普及がどのように土壌改善に役立つのかを理解している顧客は意外に少ないようだ。

  こうした中、2年ほど前から、「オーガニックコットン」商品の取り扱いを本格化した千趣会。同社では、オーガニックコットン普及プロジェクトと題し、毎年6月の環境月間に合わせて啓蒙活動を行っている。

  今年は、6月20日に私立蒲田女子高等学校(東京都太田区)で、高校生向けに「地球にもっとやさしいをもっと身近に」と題した授業を実施。将来、母親となる女子高校生に「オーガニックコットン」普及推進の必要性を理解してもらうことを狙ったもので、当日はカタログ「わたしの着たい服・微笑む人へ」のイメージモデルでタレントの豊田エリーさんが先生役となり、同社ファブリック開発部の太田有哉氏が特別講師として登壇した。

  授業は、豊田さんが「オーガニックコットン」に対するイメージなどを生徒に聞き、太田氏が「オーガニックコットン」が注目された背景や生産状況などを説明する形で進められ、この中で太田氏は、世界の農地のうち、「オーガニックコットン」栽培の農地面積が1%程度である半面、土壌改良のほか、種子の段階から育成、収穫の各過程で殺虫剤や枯葉剤などが使われ、殺虫剤使用割合は全農作物の約25%と説明。「面積の割合で考えると、コットンには殺虫剤が非常に多く使用されている」と指摘した。

  また、授業のポイントとなる「『オーガニックコットン』の農地が増えていくとどうなるのでしょう」との豊田さんの問いに太田氏は、生産者への影響や土壌汚染を防ぐことにつながると回答。さらに「こうした取り組みは我々だけではなく、みなさん、みなさんの子供へと広げていくことが大事」とし、豊田さんも生徒に「これから、洋服を買うときやハンドタオルを買うときに今日の授業のことを思い出してほしい」と語った。

 千趣会は昨年の環境月間、「オーガニックコットン」の普及活動としてJR新橋駅前などでハンドタオルを配布。この際は、サラリーマンなど「どちらかというと、年配の方に向けた展開だった」(CSR・広報チーム)が、今年は趣向を変え、今後のオピニオンリーダーの育成につなげることを狙いに、女子高で授業を行うことにした。

  授業で特別講師役となった千趣会の太田氏によると、「オーガニックコットン」使用商品の売り上げは順調に伸びている状況。今後も、地道な啓蒙活動を続ける一方、取り扱いアイテムを拡充し「オーガニックコットン」の普及拡大に取り組んでいく構えだ。
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