中古ゴルフクラブの買取り・販売事業などを手がけているゴルフ・ドゥは、ネット販売の強化に取り組んでいる。３月下旬にスマホ版サイトを開設したほか、４月にはこれまでマーケティング部署が兼業で行っていた通販サイト運営について選任部署「ネット事業本部」を設けるなどテコ入れを進めている。

  同社がネット販売を開始したのは２００６年３月。それまで全国にある実店舗（11年８月末時点で75店舗）での販売が中心だったが、新たな販売チャネルの確立を目指し、自社通販サイトの運営を開始した。「商圏を考えると１店舗の売り上げは限界がある。それを補完して伸ばしていくのがネットの力」（ネット事業本部）とする。

　現在の取扱商品は、メーンの中古ゴルフクラブをはじめ関連用品など約14万点。クラブの平均購入単価は約１万４０００円で、近年は不況とも相まって毎年１０００円程度下がり続けている状況。会員数は約12万人で、毎月１５００～２０００人程度ずつ増加している。男性が約９割を占めており、平均年齢は44歳となっている。

　新規の会員獲得についてはＳＥＯ対策による自然検索からの流入のほか、４月には新たな取り組みとしてゴルフ練習場などで10％オフのクーポンの配布企画なども実施した。また、３月下旬にはスマホ版も開設し、普及が広がっている30代前後の若年層を新たに開拓するほか、これまでアプローチしていなかったゴルフ場帰りなどの外出中の購入機会を取り込んでいく考え。

　サイト内では定期的に細かなリニューアルも行っている。購入希望商品チェック機能の導入もそのひとつ。同社では同一アイテムでの傷の程度違いなども扱っていることから、以前は買い物の途中で気に入った商品を見失ってしまうこともあったが、リストとして画面上に表記することでそれを防止していく。

　さらに、年に５～６回ある中古クラブの価格相場の変動に合わせて、顧客がリストに入れた商品が値下がりした際はメールで通知する機能も搭載。購買を促していく。今年に入ってからはレコメンド機能も実装しており、レコメンド経由での購入に至ったケースが金額ベースで30％程度あったという。
入り口商品を拡充

　商品政策としては、一時期休止していたボール、キャップ、ウェア、キャリーバッグといった小物類の販売を昨年５月から再開した。現在は小物だけで３００～４００点程度取り扱っており、メルマガなどを通じて会員への認知も拡大。小物商品からのアクセス数は、前年比10～15％増程度の変化があったという。同社は「クラブだけでの展開だと、日頃から顧客を呼べるフックがなかった。ついで買いができる『入り口商品』として今後は力を入れていく」（ネット事業本部）とした。

　そのほかにも配送面では過去にトライアルで実施した送料無料キャンペーンなどが好調だったことから、今年５月に送料を一律９００円から５００円にまで値下げ。様々角度からネット販売のテコ入れを進めている。