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スタイライフ  楽天が筆頭株主に、相互送客やノウハウを共有

2012年 5月17日 10:03

 スタイライフは5月14日、楽天と業務・資本提携を結んだ。楽天がスタイライフの株式32・5%を約5億円で取得し同社の筆頭株主となった。両社が強化している衣料品ネット販売の成長スピードを加速させるのが狙いで、顧客の相互送客や互いのノウハウを活用する。スタイライフは楽天の出資を得て事業基盤を強化し、再生への攻めの一手につなげる。


 5月15日付けで、楽天はサマンサタバサジャパンリミテッドの100%子会社、バーンデストジャパンリミテッドが保有するスタイライフの株式32・5%を取得。楽天がスタイライフの筆頭株主となり、バーンデストは第2位(18・7%)に後退した。

 スタイライフは楽天の持つ資産の活用や膨大なユーザーの取り込みに期待しており、一方、ファッションジャンルの強化を掲げる楽天も、衣料品EC専業のスタイライフが持つノウハウを活用していく。

 現時点で具体的な取り組みは明らかになっていないが、スタイライフとしては主力の「スタイライフ」サイトに楽天ユーザーを呼び込みたい意向で、今後、同サイトで楽天ポイントを使えるようにするなどの施策が予想される。

 スタイライフは前期まで2期連続の赤字で、抜本的な構造改革を迫られている。生き残りに向けて、創業の事業である通販雑誌の休刊を決めたほか、今年3月には本業とのシナジーが少なかったコスメ事業を売却するなど、再生に向けた守りの戦略を実行中だ。

 こうした中、好調な衣料品ネット販売の基盤強化に向けた攻めのアライアンスを模索。楽天とタッグを組むことがベストと判断したようだ。

 スタイライフには、昨年4月にパルコが資本参加(15%)しており、リアルとネット企業の大手がファッションEC専業に触手を伸ばしていることからも、業界内外の衣料品ネット販売への期待感がうかがえる。

 なお、楽天は米国のファッションEC企業に少額出資しているが、日本で衣料品のEC専業に資本参加するのは今回が初めて。



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