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楽天、フラッシュセールを拡大、商品調達にもメス、出店者以外も照準に

2012年 5月10日 11:09

楽天(本社・東京都品川区、三木谷浩史社長)は、重要顧客の満足度を高める目的でスタートしたフラッシュセールサイト「楽天プライベートセールス」が好調のようだ。本格展開を始めて約1年半が経過し、次の成長ステージに向けて取り扱い商材や利用者、出品者の拡大にも着手する。

 楽天プライベートセールスは2010年9月に本稼働したサービスで原則、商品は楽天市場の出店者から調達。どの商品も30%以上値引きした楽天最安値で販売する。

 各セールは48時間とし、セール会場に入場できる利用者を楽天プラチナ会員とゴールド会員に限定。販売期間と利用者を絞った売り場を設けることでロイヤルカスタマーと出店者、双方の満足度を高める。

 プライベートセールスは、「楽天市場」トップページに表示されるユーザー名の近くに、プラチナ会員とゴールド会員限定で「特別ご招待」という入り口を設けているのに加え、両会員向けのメルマガでセール情報を発信。メルマガ経由でも認証作業を経てセール会場に入れるようにしている。

 セール品の情報は楽天内の検索や外部のサーチエンジンにもヒットしないため、楽天のロイヤルカスタマー以外はプライベートセールスの存在さえ知らないという。

 演出面では各セールに48時間のカウントダウン時計を表示し、サイトデザインも黒とゴールドを基調とすることで高級感と限定感を出す。

 フラッシュセールは、物販と旅行、レストランの3カテゴリーで構成。物販では主力のグルメと家電、ブランド・ファッションの3分野で毎日午後9時から開催し、各分野とも30商品を扱う。主力分野以外でも、例えば自動車用品やペット用品などのニッチ商材については、属性が合致する重要顧客にメルマガを配信。メルマガで商品まで見せて、専用ページで購入できるようにしている。

 同社では、これまでの楽天市場の販売実績から、どのタイミングでどんな商品が売れるかというデータを蓄積しており、「科学的にアプローチできるのが強み」(楽天)とする。

 現状、出店者に告知して特集に沿った商品を集めているが、強化中のファッション分野では、楽天出店者以外からスポットで調達することもあるという。

 プライベートセールスの利用者は30~40代女性が多く、売り上げも好調に推移していることから、当該層を意識した品ぞろえを強化している。

 ただ、現状ではロイヤルカスタマーの20%しか同サービスを利用しておらず、重要顧客への周知は課題のひとつだ。

 楽天は次の成長に向けて、今年3月に新たな取り組みを開始。フラッシュセールをスマホやタブレット端末に対応して利用促進を図っているほか、従来はプラチナ・ゴールド会員に限定していた利用者を、当該層の招待客にも広げた。招待客を半年間、セール会場に入場できるようにすることで、楽天市場の初めての利用や、重要顧客へと引き上げたい意向だ。

 今年7月にはプライベートセールスの刷新を計画。ギフトや自動車など商品ラインアップを増やすことで、利用者の拡大を図る。同時に、楽天出店者以外にも商品提供を広く募る方針で、スイーツやファッションカテゴリーを強化する。

 フラッシュセールの手法は、商品提供者からすると在庫を現金化できるメリットがあるが、プライベートセールスの取引先を広げることで、「楽天出店へのトライアルとしても利用できるようになる」(楽天)とする。

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