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エイボンのマイケル・アレン新社長インタビュー「通販と訪販の統合を」

2012年 3月22日 11:28


2men.JPG 化粧品の訪販と通販を行うエイボン・プロダクツ(エイボン=本社・東京都新宿区)は2月1日、新社長にマイケル・アレン氏を迎え新体制となった。新ブランドの構築など、さまざまな課題がある中で、アレン社長は訪販と通販を統合した戦略を描くという。マイケル・アレン新社長に戦略を聞いた。(聞き手は本紙記者・兼子沙弥子)

 ――ガシー・レンカー・ジャパンの社長や日本アムウェイの副社長を経て、今回エイボンの社長に就任した。業績回復が課題のエイボンでのミッションは。

 「エイボンは商品を自社で製造し、強固な販売チャネルを持っている。強いビジネスの基盤を活かして、訪問販売業界は厳しい市場と言われている中で今後、正しい方向に向かうために、ダイナミックで革新的な戦略が必要だ。今期は目標の達成と、ビジネスを理解した上で戦略を立てることに注力したい」

 ――エイボンはネット販売の強化や海外進出などの方針を打ち出していた。今後の成長戦略は。


 「ビジネスの多様化は必要だが、ネット販売や海外進出などの新たなチャネルと、訪販そのものを切り離す必要性はないだろう。訪販と通販のビジネスモデルを統合しながら拡大を図りたい」

 ――訪販と通販は異なるビジネスモデルだ。統合できるのか。

 「通販と訪販では、注文手段や顧客の価値観が異なる。だからこそ、通販と訪販で双方を補完し合うことで相乗効果を上げることができるだろう。ビジネスモデルは変更せず、業界が驚くような過去にはない新たな取り組みを構想している」

 ――2つのチャネルを統合するには強いブランドが必要となりそう。

 「まずは今後の6カ月間で、既存ブランドのポジショニングや効能効果をしっかりと理解する。その上で製品強化とイメージを向上する戦略に着手したい。化粧品なのか他のカテゴリーなのか分からないが、新たな価値を持つ商品を市場に提供したいと考えている」

 ――だが、米エイボンとの資本関係が無くなり、将来的にエイボンブランドが使えなくなる。

 「残念ながらエイボンブランドには強いイメージがなく認知度は下降傾向にある。今後は20~30代に向けてもう一度思い出してもらう施策が必要だ。聞いたことがある消費者に対して、実際にどういった製品かもう一度理解してもらいたい」

 「私はガシー・レンカー・ジャパン時代に、通販では一般的な29分のインフォマーシャルを60秒以下に再編集しスポットCMを投下して、ニキビケアのプロアクティブとして認知度を高めてきた。簡単ではないが、エイボンの強いビジネス基盤を生かしつつ、しっかりと投資しながらそれを実現したい」

 ――取締役に住友商事顧問の大橋茂氏を招聘した。通販強化の布石か。

 「大橋氏には私が打診した。1つはジュピターショップチャンネルの経験を評価したためだ。もうひとつは通販業界やそれ以外で幅広いネットワークを持っている。その両面からサポートしてもらうことで強固な経営基盤を構築したい」

 ――前社長が1年未満で社長を退任するなど代表が定着しないことで現場の混乱があるのでは。

 「通常の企業でもトップの交代で現場が混乱する。当社でも多少の混乱はあったと認識している。うまく引き継ぎできており、落ち着いている」

 ――頻繁にトップ交代がある場合、企業理念の共有化やノウハウが蓄積しにくい課題がある。

 「日本において、訪販と通販を経験できることが少なく、両方を経験したことがノウハウだ。私の信条である『Now is the time(今こそチャンス)』や情熱、緊急性を企業文化として根付かせたい」

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