ＮＴＴドコモやテレビキー局などが出資するｍｍｂｉは４月１日からスマートフォン専用放送「ＮＯＴＴＶ（ノッティーヴィー）」を始める。目玉の７時間の生情報番組や既存ＣＳ番組などを放送、電子書籍のダウンロード課金も行う。視聴端末の普及など不安要素はあるものの、初年度で１００万人の会員獲得を目指す考え。同放送は通販の売り場として活用できる可能性もあり、テレビ通販大手のオークローンマーケティングが開始時から通販番組を始める予定。（写真は開局会見に参加した「ＮＯＴＴＶ」の情報番組で司会を務める押切もえさんらタレント。写真中央がｍｍｂｉの二木社長）

　「ＮＯＴＴＶ」は昨年に終了したテレビの地上アナログ電波の「空き周波数帯」を使って放送するスマートフォンなどで視聴できる携帯端末向けマルチメディア放送。視聴には視聴対応端末を購入し、ドコモショップや専用アプリから申し込みを行い、月額４２０円を支払う必要がある。

　チャンネルは３つで構成し目玉である７時間の生情報番組「ｎｏｔｔｙ★ＬＩＶＥ ７時間！」などのオリジナル番組のほか、日テレやＴＢＳと組んだ24時間ニュース、野球やサッカー、ゴルフなどのスポーツ中継や海外ドラマ、アニメなどの既存ＣＳ放送から調達した番組なども放送する。

　「蓄積型放送」と呼ばれるデジタルコンテンツのダウンロード販売も行う。スタート時点では「東京ウォーカー」「ＤＩＭＥ」などの電子書籍や楽曲のダウンロードに対応。スマホのＳＤカードに情報を保存させる仕組み。

　「ＮＯＴＴＶ」は通販との親和性も高いと見られ、テレビ通販大手のオークローンマーケティング（ＯＬＭ）は４月のスタート時から通販番組を始める。ｍｍｂｉの発表によると毎週土曜日の正午12時から１時間枠で「モトとるショッピング」という名称の番組を放映する予定。

　番組の内容はＯＬＭの人気商品が必ず「ＮＯＴＴＶ」の月額費である４２０円以上値引きした価格で紹介するもので「内容はこれから詰める段階で詳細は確定していないが、番組はｍｍｂｉと共同制作という形でＭＣ（番組司会者）を置き、当社のインフォマーシャル映像を使いながら、毎回、２～３商品を紹介していく形を考えている」（ＯＬＭの中村礼輝経営企画部次長）としている。

　「ＮＯＴＴＶ」は放送をスタートする今年４月時点では東名阪と福岡、沖縄にのみで放送を始め、今年度中には主要都市で、２０１４年度にはほぼ全国で放送を行う。「初年度の契約数は１００万契約、３年後（２０１５年度中）までには５００万契約を獲得し黒字化したい」（二木社長＝写真中央）としている。

　視聴対応端末が現時点ではドコモのみでの発売（今上期中に７機種が発売予定）ということ、「ワンセグ」や投稿動画サイトなど動画の無料視聴に馴れた利用者があえて有料放送を見るのか、などの懸念もあるが、行方いかんによっては通販の新たな売り場として機能する可能性もあり、通販事業者は注視しておく必要がありそうだ。