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国民生活センター、冷感タオルで注意喚起――皮膚炎起こす恐れも

2012年 1月26日 12:15

 国民生活センターは1月19日、冷感タオルについて注意喚起を行った。商品テストの結果から、冷感タオルに含まれる防腐剤が長時間肌に触れるとアレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性があることが分かった。節電への意識が高まりで、今後の需要の拡大が見込まれるため緊急性が高いと判断。製造販売事業者に対し、使用している防腐剤を明記するよう要望。消費者庁は国センのテスト結果を通じて注意喚起しているとし、今後の状況をみて個別事案の対応も検討する考えだ。

 国センによると「冷感タオル」の相談件数は2010年度に1件、11年度に11件それぞれ寄せられており、全てで「湿疹が出た」「腫れた」などの苦情相談だった。11年度に被害が拡大したことについては通販や店頭などでの取り扱いが拡大したためで、「中には年間100万個を販売したという事業者がいると聞いている」(国セン)という。

 国センは消費者センターからの依頼を受けて昨年7月と10月に苦情のあった冷感タオルの商品テストを実施。タオルに含まれる防腐剤で、アレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性がある「イソチアゾリノン系」の成分が使用されていることが分かった。

 国センは節電意識の高まりで今後の需要が拡大すると分析。対象銘柄を「ひんやり」などのキーワードで検索して確認できた8銘柄に広げて再テストした。このうち7銘柄でイソチアゾリノン系の防腐剤「OIT」や「MI」「CMI」が検出された。「OIT」はアレルギー性接触皮膚炎を引き起こす原因物質として10年度に厚労省が通知を発出していた成分。事業者は国センに対し「OITの使用は知っていたが、量を減らしており問題ないと認識していた」と説明した。

 また「MI」や「CMI」は化粧品などの防腐剤と使用されているが、一部でアレルギーを有する人がいるとの報告があるもの。事業者は国センに対し「シャンプーに使用されているため安全と思っていた」と説明した。事業者は国センに対し、表示を改善することで対応するとした。

 今回のテスト結果を受けて国センは消費者庁に指導の徹底を要望。消費者政策課は「一元化の試行の中で消費者庁が国センと連携して行ったもので、国センを通じて事実上注意喚起している」とした。事業者が国センに対して表示改善すると説明したことを受け、今後の状況をみて対応を検討するとした。
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