オットージャパンは次の成長ステージに向けてネット販売と基幹のカタログ、フルフィルメントの3事業を強化する。9月をメドに自社通販サイトをプラットフォーム化して他社商材の取り扱いを始めるほか、事業提携による売り場の拡大にも着手する。1月1日に会長兼CEOに就任した田中進氏に戦略骨子などについて聞いた。(聞き手は本紙記者・神崎郁夫)
――専務兼CFOから会長に就任した。
「財務の責任者としてこの数年は事業・経営計画の立案から実行まで携わってきた。M&Aや事業提携などの案件も見てきており、事業規模の拡大に向けてはとくに事業提携を手がけたい」
――同時に社長も交代したが、役割分担は。
「私は会社全体の運営を任されており、バランスを見て投資の舵取りをする。独オットー社から来てもらったベルンハルト・シャフラー社長には商品部門とマーケティング、ECを任せている」
――強化分野は。
「ネット販売と基幹のカタログ、フルフィルの3分野だ。とくにネット販売は年率約20%伸びており、成長を加速させるため9月をメドにプラットフォーム事業を始める。自社通販サイトに他社のブランド・商材を取り込んで、売り上げを伸ばしていく。そのためのシステム投資も行う」
――取り込む商材は。
「オットーの特徴である"インターナショナルファッション"とテイストが合致すれば、アパレルにこだわる必要はない。グループ企業の商材をはじめとした衣料品はもちろん、雑貨やコスメ、メンズ衣料もあり得る」
――進捗状況は。
「交渉を始めているが、ブランドの数にこだわるのではなくクオリティーを重視して、親和性の高いものを選別する。基本的には30~50代女性という自社サイトの客層にマッチした商材ということになるが、幅広い年代が支持するものは良い商材とも言える。そうした商品も開拓する」
――既存のECは。
「昨年9月にスタートしたスマートフォンサイトは予想以上に好調で、ECやモバイル通販の急成長をけん引している。これをさらに強化する。プラットフォーム事業を除き、コアのレディースアパレルのEC化率は3年間で50%台にしたい」
――カタログは。
「主力のカタログで利益を出し、ECの投資に充填する。当社の2大カタログのうち、とくに『オットーマダム』は消費者の支持が高く収益率も良い。これを秋号から拡大する。ページ数を増やして商材の幅を少し広げ、新しい客層を獲得したい。強みであるエレガント系のテイストと大きく異なる商材を扱うのではなく、これを補強していく。『オットーウィメン』については、これまで以上にウェブとの連携を図る」
――フルフィルは。
「サイト構築から受発注、マーケティング支援、ロジスティクスまでトータルで提供できる。有力海外ブランドも支援しており、隠れた収益源だ。きめ細かいサービスで伸ばしていく。プラットフォーム事業では一気通貫型のフルフィルサービスで簡単にECを始められることが強みになる」
――実店舗は。
「拡大路線を継続する。固定ファンも増えており、プロパー商品を売る店舗を増やしたい。アウトレット店の展開は、トップブランドが出店する場所に限定してブランドイメージを維持している」
――事業提携については。
「オットーブランドは良質のテイストを持っていて値ごろ感があるため、他社でも売れると自負している。グループの商材も自社サイトや他の小売りチャネルでも売っていきたい。今は変化を取り込める企業が勝つ。スピード感のある企業と組んで売り場を広げたい」
――社員に何を求める。
「まずは、お客様志向。迷ったら顧客に聞こうと言っており、座談会などで顧客の声を吸い上げている。創造性とスピード感の両立も大事だ。会長に就任してすぐ経営陣と従業員が顔を突き合わせて対話できる場を作った。事業戦略への理解を共有するのが目的で、小船でそれぞれが漕ぎ出すのではなく、大船となって同じゴールを目指したい」
――専務兼CFOから会長に就任した。
「財務の責任者としてこの数年は事業・経営計画の立案から実行まで携わってきた。M&Aや事業提携などの案件も見てきており、事業規模の拡大に向けてはとくに事業提携を手がけたい」
――同時に社長も交代したが、役割分担は。
「私は会社全体の運営を任されており、バランスを見て投資の舵取りをする。独オットー社から来てもらったベルンハルト・シャフラー社長には商品部門とマーケティング、ECを任せている」
――強化分野は。
「ネット販売と基幹のカタログ、フルフィルの3分野だ。とくにネット販売は年率約20%伸びており、成長を加速させるため9月をメドにプラットフォーム事業を始める。自社通販サイトに他社のブランド・商材を取り込んで、売り上げを伸ばしていく。そのためのシステム投資も行う」
――取り込む商材は。
「オットーの特徴である"インターナショナルファッション"とテイストが合致すれば、アパレルにこだわる必要はない。グループ企業の商材をはじめとした衣料品はもちろん、雑貨やコスメ、メンズ衣料もあり得る」
――進捗状況は。
「交渉を始めているが、ブランドの数にこだわるのではなくクオリティーを重視して、親和性の高いものを選別する。基本的には30~50代女性という自社サイトの客層にマッチした商材ということになるが、幅広い年代が支持するものは良い商材とも言える。そうした商品も開拓する」
――既存のECは。
「昨年9月にスタートしたスマートフォンサイトは予想以上に好調で、ECやモバイル通販の急成長をけん引している。これをさらに強化する。プラットフォーム事業を除き、コアのレディースアパレルのEC化率は3年間で50%台にしたい」
――カタログは。
「主力のカタログで利益を出し、ECの投資に充填する。当社の2大カタログのうち、とくに『オットーマダム』は消費者の支持が高く収益率も良い。これを秋号から拡大する。ページ数を増やして商材の幅を少し広げ、新しい客層を獲得したい。強みであるエレガント系のテイストと大きく異なる商材を扱うのではなく、これを補強していく。『オットーウィメン』については、これまで以上にウェブとの連携を図る」
――フルフィルは。
「サイト構築から受発注、マーケティング支援、ロジスティクスまでトータルで提供できる。有力海外ブランドも支援しており、隠れた収益源だ。きめ細かいサービスで伸ばしていく。プラットフォーム事業では一気通貫型のフルフィルサービスで簡単にECを始められることが強みになる」
――実店舗は。
「拡大路線を継続する。固定ファンも増えており、プロパー商品を売る店舗を増やしたい。アウトレット店の展開は、トップブランドが出店する場所に限定してブランドイメージを維持している」
――事業提携については。
「オットーブランドは良質のテイストを持っていて値ごろ感があるため、他社でも売れると自負している。グループの商材も自社サイトや他の小売りチャネルでも売っていきたい。今は変化を取り込める企業が勝つ。スピード感のある企業と組んで売り場を広げたい」
――社員に何を求める。
「まずは、お客様志向。迷ったら顧客に聞こうと言っており、座談会などで顧客の声を吸い上げている。創造性とスピード感の両立も大事だ。会長に就任してすぐ経営陣と従業員が顔を突き合わせて対話できる場を作った。事業戦略への理解を共有するのが目的で、小船でそれぞれが漕ぎ出すのではなく、大船となって同じゴールを目指したい」