ヤマトホールディングスは来年から、「宅急便」の海外展開を加速させる。既に中国・上海で来年1月に「宅急便」を展開することを公表しているが、11月20日に、シンガポールでも同じタイミングで「宅急便」の展開を始めると発表した。クール便や時間帯指定配達など日本で培ってきた高付加価値サービスを武器に現地での利用顧客の獲得を推進。日本の通販事業者の海外事業展開を促進するとともに、アジアにおける通販市場の拡大を図る構えだ。
「宅急便」の海外展開は、既に事業を行っている台湾、来年1月からスタートする中国に続き、今回のシンガポールが3カ国目。台湾および中国については現地事業者との連携した形だが、シンガポールは人口が東京23区とほぼ同じ水準と市場規模が小さく、投資も嵩まないことなどから、独資で進出する。
シンガポールでは、「宅急便」を手掛ける「シンガポールヤマト運輸」と、決済関連事業を行う「シンガポールヤマトペイメントサービス」を設け、事業を展開する。シンガポールヤマト運輸は予め設立していた準備会社を今年12月に社名変更するもので、シンガポールヤマトペイメントサービスは12月中に設立。ともに来年1月8日から営業を開始する。
シンガポールでは、社員70人、配達車両30台程度、集配拠点6カ所の体制で事業を開始。360日営業体制で、料金体系を6分類とシンプルにしたほか、当日再配達を夜8時まで受け付け。時間帯サービスでは、午前8時から夜10時まで7区分・2時間単位で配達時間の指定が可能で、午前中集荷分であれば当日午後2時から4時に届けられるようにした。コレクトサービスでは現金の代引きに対応する。
ヤマトホールディングスによりと、シンガポールには約500の宅配便事業者があるが、BtoBの書類配達サービスがメーンで、BtoCおよびCtoCの宅配便はあまり普及していないという。これに対しヤマト側は、クール便や時間帯指定配達、不在時再配達など日本で展開してきた付加価値サービスを導入することで、toC関連の宅配便需要の喚起を図る考え。シンガポールの宅配便市場については年間1,000万個と試算しており、初年度は40万個の取り扱いを計画。今後、宅配便市場の拡大を進め、10年後に800万個の取り扱いを想定する。
シンガポールでも通販をターゲットにしており、海外事業展開を狙う日本の通販事業者の利用を想定。また、「産直の仕組みを導入できれば、農業や漁業を行う個人事業者の所得も増える」(瀬戸薫社長)など現地の産業振興への寄与にもつながると見ており、グループ企業が手掛ける通販支援サービスをシンガポールに導入し、現地の通販市場の活性化と宅配便需要の拡大を図ることも視野に入れているようだ。
一方、ヤマトホールイディングスでは、シンガポールを起点にASEAN各国での「宅急便」の展開を進める意向で、同地域の事業を統括する「ヤマトアジア」を設置(シンガポールで輸出貨物のフォワーディング等を行ってきたシンガポールヤマト運輸を11月20日付で社名変更)。基本戦略として「toC、toスモールBの部分で各国を面で押さえていく」(同)考えだ。
日本の通販事業者はアジア圏を中心とした海外事業展開を検討しているところも少なくない。この場合、現地での物流と決済が課題となるだけに、今後のヤマトグループのアジア各国における「宅急便」展開が注目されるところだ。
「宅急便」の海外展開は、既に事業を行っている台湾、来年1月からスタートする中国に続き、今回のシンガポールが3カ国目。台湾および中国については現地事業者との連携した形だが、シンガポールは人口が東京23区とほぼ同じ水準と市場規模が小さく、投資も嵩まないことなどから、独資で進出する。
シンガポールでは、「宅急便」を手掛ける「シンガポールヤマト運輸」と、決済関連事業を行う「シンガポールヤマトペイメントサービス」を設け、事業を展開する。シンガポールヤマト運輸は予め設立していた準備会社を今年12月に社名変更するもので、シンガポールヤマトペイメントサービスは12月中に設立。ともに来年1月8日から営業を開始する。
シンガポールでは、社員70人、配達車両30台程度、集配拠点6カ所の体制で事業を開始。360日営業体制で、料金体系を6分類とシンプルにしたほか、当日再配達を夜8時まで受け付け。時間帯サービスでは、午前8時から夜10時まで7区分・2時間単位で配達時間の指定が可能で、午前中集荷分であれば当日午後2時から4時に届けられるようにした。コレクトサービスでは現金の代引きに対応する。
ヤマトホールディングスによりと、シンガポールには約500の宅配便事業者があるが、BtoBの書類配達サービスがメーンで、BtoCおよびCtoCの宅配便はあまり普及していないという。これに対しヤマト側は、クール便や時間帯指定配達、不在時再配達など日本で展開してきた付加価値サービスを導入することで、toC関連の宅配便需要の喚起を図る考え。シンガポールの宅配便市場については年間1,000万個と試算しており、初年度は40万個の取り扱いを計画。今後、宅配便市場の拡大を進め、10年後に800万個の取り扱いを想定する。
シンガポールでも通販をターゲットにしており、海外事業展開を狙う日本の通販事業者の利用を想定。また、「産直の仕組みを導入できれば、農業や漁業を行う個人事業者の所得も増える」(瀬戸薫社長)など現地の産業振興への寄与にもつながると見ており、グループ企業が手掛ける通販支援サービスをシンガポールに導入し、現地の通販市場の活性化と宅配便需要の拡大を図ることも視野に入れているようだ。
一方、ヤマトホールイディングスでは、シンガポールを起点にASEAN各国での「宅急便」の展開を進める意向で、同地域の事業を統括する「ヤマトアジア」を設置(シンガポールで輸出貨物のフォワーディング等を行ってきたシンガポールヤマト運輸を11月20日付で社名変更)。基本戦略として「toC、toスモールBの部分で各国を面で押さえていく」(同)考えだ。
日本の通販事業者はアジア圏を中心とした海外事業展開を検討しているところも少なくない。この場合、現地での物流と決済が課題となるだけに、今後のヤマトグループのアジア各国における「宅急便」展開が注目されるところだ。