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経済産業省  越境EC支援を本格化、被災事業者の復興策も

2012年 1月 4日 17:08

  経済産業省は、日本企業の海外消費者向けネット販売(以下越境EC)支援に本腰を入れ始めた。この一環として、越境ECに関する情報を提供する支援サイトを開設するほか、東日本大震災の影響を受ける企業の越境EC支援事業について、支援企業を募る民間団体の募集を始めた。日本市場の縮小が見込まれる中、経産省では越境ECを日本企業の業容拡大や事業基盤構築のツールとして重視。一連の取り組みを通じ、越境ECの普及拡大を図る。

 支援サイトでは、海外での事業展開を検討する企業向けに越境ECに関する基本的な情報を提供する。内容は、仮想モール等への出店方法やプロモーション、決済・物流など、越境ECを始めるプロセスのほか、越境ECに関する各国の法制度やトラブル対処法、越境ECの市場規模などで、越境ECを行う事業者の事例も紹介する。

 すでに民間のネット関連事業者などの情報提供サイトとリンクを張り、多角的な情報が提供できるようにする一方、行政側が提供する情報として、日米中3国間における越境EC市場の現状や展望、海外の関連法規などに力を入れた。

 経産省では、商工会議所や経済産業局にも協力を働きかけ、中小企業の利用を促進。サイトの運営は、野村総合研究所に委託し、来年度予算にサイト運営費用を計上する考えだが、ゆくゆくは民間事業者による運営に切り替えることを視野に入れる。

 一方、震災復興に向けた越境EC支援事業でも、民間支援団体の募集を開始した。

 内容は、海外向けECサイトの構築・運営費用などの半分を国が支援するというもので、11月下旬に成立した平成23年度第三次補正予算で1億5000万円を計上。東北6県および北関東3県と千葉県に所在する被災地関連商品を扱う事業者を対象に150~200社を支援する。

 1月中旬頃をメドに民間の支援団体を決め、支援団体が支援希望企業を募集。今年度中に支援する企業を決定し、来年度から実際の支援を始める予定で、支援期間は6カ月間になる。

 経産省では、この事業で収集した成功事例を民間支援団体によるセミナー等で共有し、各企業への越境ECの普及啓発を推進、被災地事業者の持続的な復興支援につなげる考え。

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