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ワールド 「ゾゾ」と在庫一元化で機会ロス低減図る

2011年12月28日 17:38

 アパレル大手のワールドはこのほど、スタートトゥデイが運営する通販サイト「ゾゾタウン」への投入ブランドを大幅に増やしたのを機に、これまで「ゾゾ」が行っていた商品の採寸や撮影、保管業務などをワールドが一元管理する体制に改めた。フルフィル業務の重複を解消するのに加え、在庫分散による機会ロスの低減につなげるのが狙い。「ゾゾ」が倉庫に商品を持たずに"売り場"だけを提供するのは初めて。

 ワールドは12月7日、「ゾゾ」に出品するアパレル商材を従来の14ブランドから、「アンタイトル」や「インディヴィ」など人気ブランドを含む64ブランドに増やした。

 併せて、「ゾゾ」内にワールドのブランドを集めたゾーン「ワールド・オンラインストア・イン・ゾゾタウン」を開設。「ゾゾ」で販売する商品情報や在庫を自社通販サイトと一元化した。

 通常、スタートトゥデイは「ゾゾ」で取り扱う商品を物流拠点「ゾゾベース」で保管し、採寸や商品コメント、写真撮影を行うなど自社の規格に統一して販売している。

 今回、ワールドの自社通販サイト「ワールド・オンラインストア」で表記している商品情報に合わせることで、「ゾゾ」はワールドのブランドを短期間で一気に増やせるほか、ワールドにとっては在庫を自社で抱えることでシーズン中の商品移動をなくし、売り逃しを防ぐメリットがある。

 一方、受注ベースで商品を振り分けることで、消費者が「ゾゾ」で注文したワールドの商品は「ゾゾベース」に送られてから届くため配送スピードは若干遅くなるものの、両社では「大きな影響はない」としている。

 バックヤード部分の詳細は明らかにしていないが、「ゾゾ」ではワールドの商品についても他社ブランドと同様に「最短で24時間以内の発送」としているほか、採寸表示の下に「ゾゾ」のサイズガイドとは異なる点を記している。

 消費者の通販利用が拡大する中、アパレル各社は自社通販サイトの独自性を強めるとともに、外部のファッション通販サイトへの出店を拡大しており、通販在庫が分散している。サイトによって売れ行きが異なるため、サイトからサイトへ商品を移動させている間に機会ロスが生じるリスクもあるが、ワールドのように自社倉庫に在庫を集約して「ゾゾ」に出品するケースは初めて。

 なお、他の大手アパレルでも「ゾゾ」に在庫の一元化を打診していることもあり、今後の動向が注目される。

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