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日本郵便、イーベイとの協業強化

2011年11月17日 18:11

7men.JPG 郵便事業会社(JP)は11月8日、ネットでの通販や競売を手掛けるeBayジャパン(eBay・J)と国際Eコマース市場の拡大に向け相互協力することで合意し、具体的な施策のひとつとして、「eBay」サイト上で日本の出品者がEMS(国際スピード郵便)を使い海外に商品を発送する際の送り状発行サービスを提供すると発表した。米国を中心にアクティブ会員数約9900万人とされるeBayとの連携を強化することで、海外向けネット販売を軸にした国際郵便の取り扱い拡大につなげる。

 JPとeBay・Jの協力内容は、JPが提供するオンラインシッピングサービスの「eBay」サイト上での展開、同サービスを活用した新たな国際郵便サービスの開発、国際Eコマースの利用機会拡大に向けた取り組みでの連携。

 このうちオンラインシッピングサービスは、日本の出品者が出品した商品を海外の顧客が購入する際に入力する送り先住所などの発送情報をもとにEMSの送り状を発行するというもの。具体的には、出品者が顧客から発送情報を受信した後、ネット上で送り状の発行指示をすると、JPのサーバーに発送情報が送られ、印字データを作成。出品者がこれをもとにプリンターで出力した送り状(A4サイズ)を商品に貼付し、郵便局に差し出す仕組みになる。

 現状、手書きのEMSの送り状作成作業を自動化することで出品者の作業負担を軽減し、日本の出品者の拡大につなげることを狙ったもので、「eBay」サイトから荷物の送達状況や発送履歴などを確認できる機能を付加するという。

 システムの構築はeBay側が中心となって行い、来年度中にサービスを始める予定で、JPでは、同サービスを活用したより安価な国際郵便サービスの開発も検討する。

 一方、国際Eコマースの利用拡大での連携は、セミナーの開催などでの協業になるが、この部分では、2年ほど前から取り組みを推進。今年度もJPの支店などで数回セミナーを開催している。

 JPによると、米国のeBay本体が商品配送に各国郵政庁のサービスを使う方針を打ち出しており、この関係で「この1、2年はeBayと深く(取り組みを)やっている」(JP国際事業部)としており、eBayも中国や香港、シンガポールなどの郵政庁と連携し、アジア圏での展開に本腰を入れているという。

 ネット販売を活用し、中国を中心としたアジア圏での事業展開を志向する日本企業が多い中、JPでも中国の消費者をターゲットに日本商品を扱う仮想モール「JapaNavi」を運営している。一方で、高品質の日本の商品は欧米などでもニーズがあると判断。「eBay」の出品者についても、「最近では商品を定額で販売する事業者の出品が増え、(eBayによると)最近では競売と定額販売の比率が半々くらいになっている」(同)という。

 JPでは、eBayとの連携により、欧米などへの商品販売を狙う企業のニーズの取り込みを進め、将来的に国際郵便の取り扱いを現状の2割増し程度にまで引き上げたい考えだ。
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