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ベルーナ、店舗展開を本格化――今秋にも衣料品店オープン

2011年 5月26日 10:56

 ベルーナが店舗展開を本格化する。今秋にも衣料品関連の実験店を首都圏にオープン。主力の顧客層である中高年女性をターゲットとする。同社では今年3月、東京都世田谷区に業務用食品スーパーの1号店をオープンした。販路を拡大することで、通販を利用する機会が少ない顧客との接点を作り、通販事業との相乗効果を狙う。

 50~60代の女性をターゲットとした店舗を2~3店オープンする。当初は今春にも取り組む予定だったが、東日本大震災の影響で計画が一時止まっていた。

 店舗のスタッフに関しては「専任ではなく、企画のスタッフに兼任させる形を考えている」(安野清社長)。まずは首都圏に実験店をオープンし、将来的には本格展開する計画だ。

 3月に開設した業務用食品スーパーの月間売上高は2000万円弱。当初はスタート時で3000万円、その後は5000万円を目標としており、未達となっている。そのため、1階を一般消費者向け、2階を業務用に分けるなど、テコ入れを進めている。また、グルメプロで扱っている食品を掲載した折込チラシを作成しており、7月にも実験的に配布する予定。安野社長は「通販事業との相乗効果を高めていきたい」としている。

 同社の2011年3月期の連結売上高は約1034億6000万円、連結営業利益は67億330万円だった。13年3月期にはそれぞれ1235億円、90億円まで高める計画を打ち出している。主力の総合通販の売上高を拡大するほか、同事業のデータベースを活用した専門通販、受託事業を強化。さらには店舗、海外展開などを進めることで計画を達成したい考えだ。

 総合通販では、若年層向け事業「リュリュ」「ルアール」の強化に注力しており、11年3月期の売上高は前期比29・7%増の127億3000万円だった。取り組みが遅れていたネット販売に関しても、同36・4%増の98億9000万円で、売上高に占めるネット販売比率は前期から3・3ポイント増の14・9%となった。このうち、若年層向けでは同4・5ポイント増の47・1%まで高まっている。若年層向けやネット販売の強化により、15年3月期には総合通販事業の売上高を1000億円まで高める計画だ。

 東日本大震災が業績に及ぼす影響に関しては、日本製紙の石巻工場が被災したことで同社のカタログ用紙が廃棄処分となり、夏カタログの配布に遅れが出たことから、4月の総合通販の売上高は前年同期比19・0%減(速報値)となった。ただ、秋冬シーズン以降は当初見込みの伸び率を見込んでおり、今期の連結売上高は当初計画から2・7%減の1090億円で着地する見通しだ。また、今後の用紙調達に関しては、輸入紙を増やすことで対応する。
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