"趣味の似た人"の情報を信頼ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアが拡大する今、「モノ」を中心につながる"ソーシャルコマース"の動きが出始めている。ByFlow(本社・東京都港区、牧野友衛CEO)ではアマゾンなどの商品情報を利用して、共通する持ち物や好みから「趣味の似た人」を抽出し、お勧めの商品を提案するサービスを開始。人を軸にしたサービスとは異なり、「モノ」への共感などが中心なのが特徴だ。牧野CEOに戦略を聞いた。(聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)
――サービス開始の経緯は。
「普段何かを検索するときはテレビを見たり知人に話を聞いたりなどのきっかけがあるが、インターネットにはそうした気づきになるものがない。商品の検索に関しても同様で、例えばソファを買おうとしたとき、くちコミや価格で探すのは簡単だが、自分の趣味・嗜好を反映した探し方は、ネットでは解決できていない問題だと思った。そこで、自分と趣味嗜好が似ている人がいて、自分の趣味が理解されていれば、合ったものをレコメンドしてもらえるはずだと仮説を立てた。趣味嗜好が似ている人とは、共通の持ち物が多い人。ただ、それだけで決めるのは駄目で、持ち物に加え、好き嫌いという評価が入ればより正確だと考えたわけだ。リアルの友達の紹介は必ずしも有効な判断材料ではないが、自分と趣味が似ていて信頼している人が『いい』と言っていれば、モノを買う判断に役立つ。それを自動で行うもので、いわば『検索をしない検索』だ」
――お勧め商品のレコメンドが目的か。
「そう。ユーザーに持っているモノや借りたモノなどを登録してもらい、そこを加味して『最適な商品』を提案するようなサービスをゴールにしている。ただ、もっと"気づき"の幅を広くしたいので、自分と趣味の似た人を見つけられる仕組みにもなっている。お勧めのアイテムと、趣味が似ている人の両方を紹介するわけだ。趣味が似ている人はツイッター同様にフォローでき、その人の登録情報などが見られるので、自分が欲しいかもしれない商品がタイムラインに流れてくる」
――フェイスブックなどでも商品を紹介できるが、それらとの違いは。
「フェイスブックは実際の人間関係をネットに持ち込んだものだが、友達などの人間関係イコール趣味の関係ではないはず。人間関係を商品のレコメンデーションに使うのは間違っていると思う。また、ツイッターでも商品へのリンクを貼ってツイートできるが、あれはもったいない。ツイートは流れるので一時的に商品を紹介しても残らない。このサービスでは、ユーザーそれぞれのページができあがるようにしている。自動でカテゴリー分類して残せ、アマゾンでも楽天でも横断的に管理できる。現在は楽天、アマゾン、ヤフーの商品情報を使用しているが、これは最小限の作業で最大の効果を出すため。これだけでかなりの商品をカバーできる。あとはJANコードがある商品であればすべて対応していきたいと考えている。オンラインに限る必要はないので、リアルのモノも入れられるようにしたい。ただ、商品データを用意しないと駄目なのでどう拡充するかが課題だ」
――ユーザー数は。
「まだ開始して日が浅いので数千人規模。規模が大きくなればいろいろな会社と連携できるので、10万人ぐらいの規模まで拡大したい。集客は、ツイッターなどの外部サービス経由での流入に期待している。おそらくそこが一番大きい」
――SNSで新たなシェアを獲得するのは容易ではないのでは。
「どの程度の使われ方をするのかはまだ見えていないが、常駐するサイトではないと思う。ツイッターやフェイスブックの横にあるような立ち位置で、フォースクエアに近いかもしれない。位置情報ならフォースクエア、モノ登録なら『byflow』のような」
――収益形態は。
「ここ経由でアマゾンや楽天、ヤフーで商品を購入できるのだが、そのアフィリエイト収入が基本だ。広告はある程度の規模感が出ないと入らないので、当分はこの形だろう。広告を出すとしてもユーザーの邪魔にならない広告にしたい。アドワーズやアドセンス広告に近いものを出せると面白いと思う」
――他のネット販売事業者も参加できるのか。
「今は、例えばアマゾンのデータを使うとアマゾンの商品へのリンクしか貼れないので、そこがハードルになっている。自社でデータベースを作れば、いろいろなショップも並べることができるのだが。いずれ自社データベースも作らなければいけないと思っている」
――課題は。
「ユーザー数だ。これまで、古いところを除けば新しい概念のサービスを出した国内のネットベンチャーで成功しているところはまだない。消費者も企業も新しいサービスを受け入れるのか、そこがハードルだと思っている」
ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアが拡大する今、「モノ」を中心につながる"ソーシャルコマース"の動きが出始めている。ByFlow(本社・東京都港区、牧野友衛CEO)ではアマゾンなどの商品情報を利用して、共通する持ち物や好みから「趣味の似た人」を抽出し、お勧めの商品を提案するサービスを開始。人を軸にしたサービスとは異なり、「モノ」への共感などが中心なのが特徴だ。牧野CEOに戦略を聞いた。(聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)
――サービス開始の経緯は。
「普段何かを検索するときはテレビを見たり知人に話を聞いたりなどのきっかけがあるが、インターネットにはそうした気づきになるものがない。商品の検索に関しても同様で、例えばソファを買おうとしたとき、くちコミや価格で探すのは簡単だが、自分の趣味・嗜好を反映した探し方は、ネットでは解決できていない問題だと思った。そこで、自分と趣味嗜好が似ている人がいて、自分の趣味が理解されていれば、合ったものをレコメンドしてもらえるはずだと仮説を立てた。趣味嗜好が似ている人とは、共通の持ち物が多い人。ただ、それだけで決めるのは駄目で、持ち物に加え、好き嫌いという評価が入ればより正確だと考えたわけだ。リアルの友達の紹介は必ずしも有効な判断材料ではないが、自分と趣味が似ていて信頼している人が『いい』と言っていれば、モノを買う判断に役立つ。それを自動で行うもので、いわば『検索をしない検索』だ」
――お勧め商品のレコメンドが目的か。
「そう。ユーザーに持っているモノや借りたモノなどを登録してもらい、そこを加味して『最適な商品』を提案するようなサービスをゴールにしている。ただ、もっと"気づき"の幅を広くしたいので、自分と趣味の似た人を見つけられる仕組みにもなっている。お勧めのアイテムと、趣味が似ている人の両方を紹介するわけだ。趣味が似ている人はツイッター同様にフォローでき、その人の登録情報などが見られるので、自分が欲しいかもしれない商品がタイムラインに流れてくる」
――フェイスブックなどでも商品を紹介できるが、それらとの違いは。
「フェイスブックは実際の人間関係をネットに持ち込んだものだが、友達などの人間関係イコール趣味の関係ではないはず。人間関係を商品のレコメンデーションに使うのは間違っていると思う。また、ツイッターでも商品へのリンクを貼ってツイートできるが、あれはもったいない。ツイートは流れるので一時的に商品を紹介しても残らない。このサービスでは、ユーザーそれぞれのページができあがるようにしている。自動でカテゴリー分類して残せ、アマゾンでも楽天でも横断的に管理できる。現在は楽天、アマゾン、ヤフーの商品情報を使用しているが、これは最小限の作業で最大の効果を出すため。これだけでかなりの商品をカバーできる。あとはJANコードがある商品であればすべて対応していきたいと考えている。オンラインに限る必要はないので、リアルのモノも入れられるようにしたい。ただ、商品データを用意しないと駄目なのでどう拡充するかが課題だ」
――ユーザー数は。
「まだ開始して日が浅いので数千人規模。規模が大きくなればいろいろな会社と連携できるので、10万人ぐらいの規模まで拡大したい。集客は、ツイッターなどの外部サービス経由での流入に期待している。おそらくそこが一番大きい」
――SNSで新たなシェアを獲得するのは容易ではないのでは。
「どの程度の使われ方をするのかはまだ見えていないが、常駐するサイトではないと思う。ツイッターやフェイスブックの横にあるような立ち位置で、フォースクエアに近いかもしれない。位置情報ならフォースクエア、モノ登録なら『byflow』のような」
――収益形態は。
「ここ経由でアマゾンや楽天、ヤフーで商品を購入できるのだが、そのアフィリエイト収入が基本だ。広告はある程度の規模感が出ないと入らないので、当分はこの形だろう。広告を出すとしてもユーザーの邪魔にならない広告にしたい。アドワーズやアドセンス広告に近いものを出せると面白いと思う」
――他のネット販売事業者も参加できるのか。
「今は、例えばアマゾンのデータを使うとアマゾンの商品へのリンクしか貼れないので、そこがハードルになっている。自社でデータベースを作れば、いろいろなショップも並べることができるのだが。いずれ自社データベースも作らなければいけないと思っている」
――課題は。
「ユーザー数だ。これまで、古いところを除けば新しい概念のサービスを出した国内のネットベンチャーで成功しているところはまだない。消費者も企業も新しいサービスを受け入れるのか、そこがハードルだと思っている」