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刷新カタログ拝見、ファンケルの「エスポワール」、化粧品カタログを刷新

2011年 5月12日 10:02

"無添加"のプレミア感演出

ファンケル(本社・横浜市中区、成松義文社長)は今年4月、化粧品の会報誌「エスポワール」をリニューアルした。来春予定する主力ブランドの"リブランディング"を見据え実施したもの。これまでの会報誌制作で培ったノウハウを活かしつつ、商品画像の見せ方など大幅な刷新を行っている。これにより、ブランドコンセプトである「無添加」の"プレミアム感"を演出する狙いだ。
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ファンケルは創業来、「無添加」という鋭い切り口を持つコンセプトを武器に市場を席巻。今では無添加に対する"肌に優しい""ナチュラル"といったイメージは多くの消費者に定着している。

 だが、長年に渡る事業展開の中でその弊害も生まれていた。ともすれば"効果がない""肌の弱い人向け"といった印象につながりかねないことだ。無添加こそが最適な美容法であるというブランド価値の再訴求を行うべく、今回実施したのが会報誌のリニューアルだ。

 新会報誌を一見して、まず特徴的なのが商品画像。これまで通販を主要な販売チャネルとする特性上、「実際の商品と色や形が違っていてはいけない」(同社)と、誤解を生まないよう大胆な角度から撮影することは少なかった。
 
だが、新会報誌では、より商品の中身に特化した画像の見せ方やコピーワークを行い、大胆なカットの商品画像も掲載。「より"効果感"を感じられ、感情に訴えかけるようなシズル感を重視した」(同)という。

 情報誌として顧客にスムーズに読んでもらえる工夫も凝らした。

 以前の会報誌は"商品カタログをより分かりやすくしてほしい"との顧客の声を受け、「商品カタログ」と「広告面」を会報誌のセンターに配置。だが、一方で「美容情報や季節情報など特集ページが巻頭と巻末に分断されてしまい、"読みづらい""(情報ページが)途中で終わってしまう"」との印象も与えていたという。

 制作の現場では常にある思考錯誤だが、今回の刷新では、情報誌として読んでもらうことを重視。巻末に商品カタログと広告を配置することで「情報」↓「広告」↓「カタログ」と、スムーズな流れをつくった。

 巻頭の情報ページも月毎の戦略商品やキャンペーン施策をバックアップする形で特集を組むのが従来の定石。だが、新会報誌では「無添加」や「美白」など月毎のテーマに沿った情報を豊富に提供することを重視している。

 ただ、巻頭ページは顧客の目に最も触れるページでもある。情報面ばかりがクローズアップされては、広告としての効果を薄めることにつながりかねない。そのため、併せて行ったのが広告力の強化だ。

 従来の会報誌に掲載されてきた広告面は、月単位で掲載商品の売れ行きやクリエイティブの検証を重ね、成功パターンを積み上げてきた精度の高いものとなっている。

 リニューアルでは、この成功パターンを踏襲しつつ、前段で述べたような商品画像の掲載など、これまで関心の薄かった層に、より興味を持ってもらえるよう"効果感"がより伝わるクリエイティブにこだわった。その結果、リニューアルを実施した4月号では、キャンペーン特典のない「スキンリニューアルパック」(=写真)の販売が伸長。「震災の影響があるため検証しきれていないが、広告効果で25%増となった」(同)など成果も出始めているという。

 概ね好評を得られているという新会報誌だが、日々、顧客からの要望が寄せられており、検証はまだこれから。通販企業にとって自社の方向性を伝える最大のツールでもある会報誌。「(来春に予定するリブランディング)を先導して模範例を示す」(同)役割を担っていく。


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