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日本百貨店協会「eビジネス白書」③ 平均会員数21%増の13万人

2010年12月 9日 10:58

 日本百貨店協会がまとめた「2010年版百貨店eビジネス白書」によると、09年度の百貨店24社のネット販売売上高合計は前年比4・2%増の243億5800万円だが、このうち98・2%がPCの売り上げで、一方のモバイル通販は全体の1・8%(4億2901万円)にとどまった。

 PC売り上げが前年比4・0%増だったのに対し、モバイルは12・8%増となり、百貨店がモバイル通販を本格化させ始めている傾向がうかがえる結果となった。ただ、依然として会員24社のうち、半数以上の14社がモバイル通販を実施していないことも分かった。

 一方、通販サイトで顧客の会員化を行っている企業は87%と多く、会員数は10万人未満の企業が72%と大多数を占める一方、20万人以上とする企業も24%あり、会員数については二極化の傾向にある。

 会員数の平均は、08年の10万8224人から20・9%増の13万804人で、71%の企業が前年比で「会員数が増加している」と回答。もっとも会員数の多い企業が50万人、もっとも少ない企業は800人だった。

 PCの会員数が平均12万6613人と全体の97%を占めているのに対し、モバイル会員数は同3万1642人で、「1万人未満」が50%、「1万人以上5万人未満」が42%となった。

 また、ツイッターのフォロワー数は実施企業数が5社と少ない状況ではあるが、平均で2940人。もっとも多い企業は1万人だった。

 一方、「eビジネスの情報発信に関する課題」(複数回答)としては、「モバイルの活用ができていない」が前々年、前年に引き続き最も多く63%となった。また、「デザイン性が十分ではない」が54%、「情報発信に関する費用対効果を把握できない」が50%、「メールの活用が十分ではない」が46%などとなった。

 中でも、「費用対効果を把握できない」と回答した企業は前年の42%からポイント増加しており、ネット販売売上高や会員数が伸び悩む中で、効果的な情報発信を行いたいと考えている企業が多いことがうかがえる。

 また、「会員数が停滞している」とした企業は25%で前年の28%と同水準で、会員の獲得に壁を感じている企業も依然として多い。

 同調査では、百貨店もモバイルを重要なチャネルとして捉ええる傾向が強まっており、モバイルを活用した情報発信の強化や販路としての基盤づくりが課題としている。      (つづく)


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