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在京キー局5社の上期業績③ テレビ東京ダイレクト 「ものスタ」が安定、増収へ

2010年11月24日 19:10

 「5年前に"年商100億円"と目標を言った時は誰も相手にしてくれなかった(笑)がもうそこに見えてきた」。

 今上期(4~9月)の通販(自社のTV通販およびネット販売)売上高が前年同期比4・5%増の16億9300万円(うち、ネット販売売上高は2億4800万円)と堅調に推移したテレビ東京ダイレクト(TXD)。

 昨年4月からテレビ東京で生活情報番組「ものスタMOVE」がスタート。月~金の平日午前8時台に放送される同番組の中で約12分半の通販コーナーを持ったことで、前年上期の通販売上高は前々年上期に比べて7割超増と大幅に伸びた。

 今上期はこの新枠の傾向を見るため昨年から1年間かけて、様々な商品でテストしてきたものをもとにさらに番組視聴者に合致する商品や演出を見つけ出すことに専念。無理にヒット商品を追うのではなく、帯番組という安定した枠でじっくりと「日々、安定的な売り上げを積み重ねてきた」とTXDの同社の木綿克己会長は話す。

 そして今下期からは「ものスタ」に加え、テレビ東京で昼に放送される月~金の情報番組内に新たに通販コーナーを獲得した。TXDでは手に入れた「2つの帯番組」を駆使して、さらに通販売上高を拡大。今期は総売上高ベースで85億円、基幹システムの刷新などバックヤード部分の整備にも着手して、来期には念願の年商100億円の大台に乗せたい考えだ。



 昨年は新たにスタートした「ものスタ」での通販の傾向を探るべく、アパレルや食品など新ジャンルの商材も含めテスト。情報番組の本編と絡ませた演出なども行い、まずは新枠の安定稼動を目指した。この結果、見えてきたジュエリー、化粧品、生活雑貨を中心にした商材で攻勢。早々に日商平均は500万円を突破。前下期には安定稼動に入ったようだ。

 今期に入ってからは、視聴者は完全に定着。定番のジュエリー、枕や電子レンジ周り商品など生活雑貨に加え、補正下着などが安定的に売り上げを稼ぎ出した。土曜早朝、土曜深夜、日曜深夜に行う「ベガスマート」やインフォマーシャル枠は上期は若干、苦戦した模様だが、それを「ものスタ」の伸びがカバーして増収を維持したようだ。

 堅調に折り返した上期だが、下期はどうなのか。同社では今期通期の総売上は80~85億円(前期売上高は77億円)。そのうち自社通販売上高は前年が30億円だったのに対して「40億円の突破は確実」(木綿会長)と非常に強気だ。その強気の根拠は今年10月から加わった"新枠"だ。

 10月4日からスタートしたテレビ東京の生活情報番組の「7スタBratch!(ブラッチ)」で「ものスタ」と同じく、番組の1コーナーとして事前収録の約12分半の商品紹介映像と番組本編で司会者から商品に関する質問という形で行う商品紹介(=写真)の合計で約15分間の通販コーナーを獲得した。現在は「ものスタ」などでの売れ筋商品を軸に紹介しているが、「ものスタ」は45歳、「ブラッチ」は55歳の主婦と中心となる視聴者層を分析。通販に関しても今後、展開商品を2つの帯で分けて、それぞれの帯番組で安定的な売り上げを見込めるジャンルや商材を見つけるなど今期は2つの帯番組の安定稼動に注力しつつ、売上拡大に備えて基幹システムの刷新などに着手。来期には年商100億円突破を目指す考えのようだ。
(つづく)

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