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新社長に聞く―イマージュ・沼田社長「化粧品子会社のノウハウ活かす」

2010年 6月24日 17:47

2men.jpg イマージュの新社長に、グループの化粧品子会社・アイムの社長を務める沼田憲孝氏が就任した。前期業績(イマージュホールディングスの連結決算)は6期ぶりに黒字となるなど、立ち直りの兆しが見えてきたイマージュグループ。グループの屋台骨を背負うイマージュでも、CGMの活用やテレビ通販の開始など、今期はブランド力向上に向けた施策を矢継ぎ早に打ち出している。沼田社長に今後の取り組みを聞いた。
(聞き手は本紙記者・川西智之)

 昨年12月に副社長に就任してから約半年で社長に昇格することになった。

 「昨年、『イマージュ復活に向けて、アイムと協力して進められる部分はないのか』という話が出て、その流れで副社長に就任することになった。5月の株主総会後に社長となったわけだが、アイムの社長も引き続き務めているので、実務面はすべて私が取り仕切る形だ。アイムの成功事例を取り入れるという点では、やりやすくなった面はあるものの、責任の重さを痛感している」

 半年間でどのような取り組みを行ってきたのか。

 「東京ガールズコレクションへの参加に始まり、テレビ通販の開始など、ブランドの知名度向上を目指した取り組みを実施した。これまでは予算を縮小する中で、利益重視の戦略を取ってきたが、バランスを考えながら広告戦略を展開しているわけだ。もちろん、投資がすべて回収できているわけではないが、良い部分と悪い部分は見えかけてきている。良い部分をピックアップして、新規獲得につなげていきたいと思っている」

 具体的には。

 「ウェブでの広告の出しかた、テレビやイベントの効果的な使い方だ」

 ウェブ広告はかなり増やしているのか。

 「増やしてはいるが、アイムほどの予算は取っていないため、大量出稿ではない。ただ、いろいろな『気付き』がある。売れなかったらすぐに出稿をやめるというのではなく、きちんと分析・検証して良い部分も見出していく。こうした取り組みは、アイムでの経験を活かしたものだ」

 商品企画で変えていく部分はあるのか。

 「ややアイテム数を絞り、1アイテムあたりの販売数を増やしたいと思っている。初回発注における在庫のリスクを減らす分、広告を上積みして、これまでタッチできなかった人たちにアピールしていきたい。単に安売りをアピールするだけでは駄目で、広告の表現手法、出稿方法の工夫や、アウトバウンドなども重要になってくるだろう」

 イマージュとアイムの連携については。

 「これまでアイムは30代後半から50歳までがメーンだったが、ウェブ広告を大幅に増やしているため、最近は25歳前後が中心だ。これはイマージュの顧客層と重なっている。広告関連など、イマージュとアイムで共同戦線を張っていきたい。また、両社間での情報交換を頻繁に行っている。アイムが培ったネット販売のノウハウに関しては、すべてイマージュに応用していく。もちろん、すべてを活かせるわけではないが、過去の広告に比べれば格段に良くなってきている」

 通販代行事業も強化している。

 「当社はきめ細かいフォローに強みがある。出荷代金が安いだけならその場限りだが、リピートにつながれば顧客にとっては一番良いわけだ。アイムのデータをもとに、コンサルティング的なこともできるのが強みとなる。価格で勝負する気はないが、かといって相場に比べて料金が高いということはないはずだ」

 衣料品通販も年々競争が激化している。生き残り策は。

 「プラスオンの価値を創出するしかないだろう。イマージュらしさを、顧客に分かりやすい形でアピールしていきたいと思う」

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