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青山商事 今秋冬にEC連動店拡大

2018年 9月27日 10:48

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 紳士服販売を手がける青山商事は、デジタルサイネージなどを活用して通販サイトの在庫とも連動させた実店舗「デジタル・ラボ」を今秋冬にも拡大する。店舗改装や新規出店を行い、既存店舗も含め合計で約10店舗まで拡大することが見込まれている。

 デジタル・ラボは自社通販サイトの在庫とつながった大型デジタルサイネージを複数設置しており、来店者が店内に陳列する商品に加えて、ネット上に展開するすべての商品を閲覧できるもの。タッチパネル式の画面操作で、電子カタログのように商品を探すことが可能。購入希望の商品については同ブランド・同サイズの商品を見本として店内で採寸。注文・会計処理については店内にあるタブレットで行い、後日、自宅などに配送する仕組み。現在のところ、売り場の面積が比較的小型の店舗を中心に主に東京での出店展開が進んでいるが、今後は地方などに波及する可能性もあると見られる。

 最近ではサイネージやタブレットの付近にテーブルや椅子を配置した形で専用スペースを確保するなど、同ツールで接客するための環境づくりを整えている。

 関連して、9月18日にはデジタル・ラボ1号店となる「秋葉原電気街口店」に、専用スペースに置かれたテーブル内に埋め込み式の大型タッチパネルを試験的に導入した。タブレットの機能をそのままテーブル大のサイズに拡大したもので、大画面をタッチしながらコーディネートを確認することができ、そのまま画面上の通販サイトのマイページで決済することも可能。店舗スタッフが接客時に使用するほか、来店者が自由に使うこともできる。

 具体的には「就活」「結婚式」など利用シーンから選択できるようになっており、画面上にはスーツ、シャツ、ネクタイを自由に組み合わせて変えられるシミュレーション画像が表示。店頭のサイネージでお気に入り登録した商品情報を反映することもできる。サイネージと同様に、同店舗に置かれていないすべての商品在庫から選択することができ、そのままカートボタンからの購入も可能となっている。

 サイネージが商品検索を主眼としている一方で、同ツールではコーディネート提案を大きな役割として期待している。商品の組み合わせ提案によるまとめ買いを促す効果も見込んでおり、導入直後から利用する顧客が見られるようだ。

 これまで店頭でコーディネートを見せる際は、スーツをテーブルに置いてワイシャツやネクタイを挟み込んで見せる形だったが、それをより実際の着こなしと近いイメージで分かりやすく見せることができ、実店舗の在庫に限らず幅広く選択肢を提案できるメリットがある。

 なお、同社では今年度から2020年度までの中期経営計画において、デジタル・ラボ店舗とECの合計売上高で67億円を目指している。17年度の合計売上高は22億円(ECが19億円、デジタル・ラボが3億円)、18年度の計画は28億円(同22億円、同6億円)で、19年度計画については40億円(同25億円、同15億円)、20年度計画についてはデジタル・ラボがECの33億円を上回る34億円を目指すなどEC以上の成長率拡大を見込んでいる。売り上げ成長に向けては、デジタル・ラボの拠点開拓が今後も続くと見られており、ECと連動した店舗設計の強化が重要課題となる。

 そのほか、EC分野でのテコ入れとして、利用者が拡大しているアプリを起点とした実店舗との連携を図る導線も強化。また、16年から開始している「シェアリング」サービスも、利用率の高い20~30代をターゲットに推進。モーニングやタキシードのラインアップで開始したところ17年度は売上高が約2億円となっており、今後も取扱商品の拡大や、会員組織と紐づいたサービス展開、レンタル専用ECサイトの開設などを行っていく。




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