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LINEの島村武志上級執行役員に聞く、「ラインモール」の戦略は㊦

2014年 9月18日 10:19

 5-1.jpg前号に続き、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を展開するLINEの仮想モール「LINE MALL(ラインモール)」について同社上級執行役員コマース・メディア担当の島村武志氏に今後の戦略などを聞いた。



──「グループ購入」では商材や企業を絞って始めたが、今秋以降開始予定の「ギフト」(※「LINE」でつながっている相手にモノを送ることができるサービス)に関しても同じイメージか。
 
 「最初に募集をすごくさせていただいて商品が集まってから、はいスタートという形にはならないだろう。それは恐らく『マルシェ』(※産地の農作物や魚介類を購入できるサービス。年内に開始予定)や、『セレクト』(※セレクトショップの店頭商品を購入できるサービス。年内に開始予定)もそうなると思う
 
 「『ギフト』については、今まであったようなフレームワークの中でのギフトサービスがLINEでもできるということならやらなくてもいい。LINEだから始まった何かがあるべき。そうするためにはどういう商品がいいのかから考えている。それを計測するために、まずは分かりやすく結果として現れる商品の置き方をする必要がある
 
──例えば「グループ購入」はどのくらいの頻度で商品ラインアップが変わるのか。
 
 「モノがどう動くのか、どのくらいのサイクルで一つ一つが在庫としてさばけていくのかは、規模によって変わってくる。サービスの規模感によっても訪れる来場者数によっても、かなり違いが出てくる。我々はお客様の動きに合わせて最適化し続けていく。システム的に決められた形で商品が出たり入ったりはしない。ほぼ"手運用"しているので、お客様が望むなら毎時間でも毎分でも変わるようにしたい
 
──そこは流動的に動いていくと。
 
 「非常に強く流動すると思う。例えば『セレクト』のコンセプトもそうだが、オフラインのセレクトショップをやられているところに参加を限定しようと思っているが、店員さんがどんどんリアルタイムに(商品情報を)あげていくと、リアルタイムに出会って、リアルタイムに買うという風にできればできるほどいい。あらかじめ商材がカテゴリー的に存在するのではなくて、どんどんその店員さんが入荷したモノを案内するというイメージだ
 
──今後も実店舗で売っているものの商材を広げていくのか。
 
 「『セレクト』というサービスの中で広げるかは別だが、広げることもあるかもしれない。ただ、ラインモールにわざわざお客様に買いにきていただくために必要なことがある。オフラインでそこに行かないと出会えないとか、そういうものをつないであげることを優先すると思う
 
──「セレクト」に関してはリアルショップなどから問い合わせがきているのか。
 
 「セレクトショップさんから問い合わせがくることは少ない。連絡が多いのは通販系の企業さんが多い。『今の段階ではこの枠にははまらない』とお話させてもらっている
 
──今後、中長期的に見て、ラインモールの目指すところは。
 
 「小さい力が活躍できる環境にしたい。規模感を持った大手がドーンと売るのではなく、一個一個頑張ってらっしゃるところをつなげていきたい。総論として、規模感の大きいところが規模感を活かして広げていく傾向が強い中で、一色に染められてしまう方向に進むよりは多様性を生み出したい。"つながり"をはぐくんでいきたい。モバイルはオフラインとは異なり、手元にある端末でいつでもつながることができる。だからこそ、そこにたくさんのモノをどういう形でどういう頻度でどの量でつなげていくかがすごく大事になる
 
 「ストックとフローの話で言うと、私はラインモールのアプリを作る際にフローの概念を強く意識している。ストック型であれば既存のビジネスモデルに似てくる。『何もかもあります』というサービスであればアマゾンさんに対して後発の我々が挑戦しづらい。ラインモールにしかない出会いがあると思われたらすごく新しい価値になると思う。そこを追求したい
(おわり)
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