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楽天の靴専門サイト、サイズお知らせ機能実装へ

2012年 4月19日 17:55

5kata.JPG 楽天は4月15日、「楽天市場」内にシューズブランドの公式ショップを集めたコンテンツ「ファインシューズ」を本格オープンした。先行する靴の通販サイト「ジャバリ」や「ロコンド」が"返品無料"を前面に打ち出すのに対し、楽天は顧客それぞれに合ったサイズを知らせる機能の実装を急いで差別化を図る。

 同社が「ファインシューズ」サイトの付加価値サービスとして導入を計画しているのは「マイサイズ機能」。

 詳細は明らかにしていないものの、消費者がよく利用するブランドのサイズを登録すると、気に入った商品の最適なサイズを知らせたり、ブランド横断型で自分のサイズに合う商品が表示される機能と見られる。

 靴のサイズ感はブランドごとに異なるため、同じ25センチでも着用するブランドによっては窮屈だったり、緩かったりする。そこで、楽天独自の採寸基準を設けることで、会員それぞれのサイズデータと照らし合わせて最適なサイズの靴を提供できるようにする。

 「楽天市場」における靴ジャンルの売り上げは前期、数十%の伸びを示した成長分野だ。一方で、靴の返品率は2%程度と少ないことから、現時点で返品対応を前面に出しても楽天会員には響かないと判断。それよりも、最適なサイズの靴を薦めるサービスの導入を優先する。

 実際に、「ファインシューズ」では開設時から消費者都合の返品を認めておらず、早期にマイサイズ機能を実装することで"サイズに迷わない"靴のネット販売を定着させ、長期間の返品無料を掲げて"買ってから選ぶ"を推奨する「ロコンド」などに対抗する構えだ。

 ただし、マイサイズ機能を導入しても訪問客のコンバージョンが上がらず、購入のハードルを一段下げる必要があると判断した場合は、返品対応についても導入を検討することにしている。

 楽天ではマイサイズ機能について、ファッショブランド全般の公式サイトを集めた「楽天ブランドアベニュー」にも水平展開していく考え。

 しかし、服については同一ブランドの中でもアイテムによってサイズ感が異なることがあるほか、ゆったりめで着用するのを意図した商品などもあるため、マイサイズ機能では補いきれないケースも出てきそうだ。

 現状、楽天では主要な靴ブランドやファッションブランドへの出店交渉を本格化しており、サイズ機能の実装が有力ブランドの出店を後押しするのか注目される。
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