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同社は、CDやDVDを扱うソフト部門と、業務用映像機器・音響機器を取り扱うハード部門の2事業に分かれている。都内にある実店舗での在庫もあわせて、取り扱いアイテムは、2事業合計で2500点程度。本格的な音響・映像機材が多いため、価格は数万円以上のものが多数を占める。
現在の通販事業は、3年ほど前に本格稼動させた自社サイトでの販売が中心。一部、音楽・映像関係の専門雑誌に広告を掲載し、電話でも注文を受け付けている。
近年は、若者のCD離れやデジタル化の影響でソフト部門の業績が伸び悩んでいたため、業務用ヘッドホンやビデオ関連機材の拡充を進め、ハード部門でのテコ入れを図っている。
そのため、ユーストリームの登場は映像関連用品を扱う同社にとっては大きな追い風だった。ユー
ストリーム用の映像制作機材の売り上げが、今年に入り大きく増加。「ワイヤレスマイク」が20~30個以上売れた月もあったという。
もちろん、映像機材を販売するプロとして、自分たちがユーストリームを活用することも当初から考えにあった。今年の春から1つの販促ツールとして映像配信を開始。配信しているのは、年に数回、都内で2000人以上の顧客を集めて商品紹介などを実演している自社イベントの「ヘッドホン祭り」の様子。仕入先のメーカも多数参加しており、新商品のプロモーションにもなっているという。
全国的に専門店が少ないことから、ハード部門の顧客は、東日本や九州など地方にも数多く散らばっている。同社は「当日参加できない遠方の顧客が、このイベントの様子を見ることができるようになった。今年秋にも同様の企画を行うので配信したい」(営業部部長)とする。
また、ツイッターに関しては、09年の8月から、グループ会社のフジヤカメラ店と同時期に開始した。「ただ単に商品紹介をつぶやくだけでは面白くない」(同)と考え、映像・音響業界の裏話や商品の中身に使われている素材の凄さなど、消費者が普段知り得ることのできない内容を中心につぶやいている。反応は上々で、販売者の人となりや会社の雰囲気を伝えることに一役買っているという。
同社の2010年6月期のネット販売事業の売上高は前年比9%増の2億200万円。今期も約10%増の2億2000万円を見込んでおり、その取り組みは着実に成果に現れているようだ。